宇高航路、12月中旬に休止 瀬戸大橋と共存できず

2019/11/11 18:21
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宇高航路は利用者が減り、採算が悪化していた(高松市)

宇高航路は利用者が減り、採算が悪化していた(高松市)

昭和の時代に本州と四国をつなぐ海上交通の大動脈だった「宇高航路」の歴史が途切れる。唯一の運航会社、四国急行フェリー(高松市)は11日、同航路の12月16日からの運航休止を四国運輸局に届け出て、受理された。瀬戸大橋の通行料金の引き下げに対抗できなかった。休止とすることで再開の道を残したが、廃止に極めて近い状況に置かれている。

「非常に残念だが、許容できる赤字額ではない」。高松市内の本社で記者会見した堀川満弘社長は苦渋の決断だったことを強調した。2020年3月期は1億円を超える最終赤字を見込み、瀬戸大橋との共存の道は諦めざるをえなくなった。

同航路は1910年に宇高連絡船として開設された。四国運輸局によると、87年度の同航路の輸送人員は396万人だったが、88年4月に瀬戸大橋が開通してヒトやモノの流れが変わった。瀬戸大橋の通行料金も下がり、2018年度は13万6千人まで落ち込んだ。

同航路を巡っては、国道フェリー(高松市)が12年10月に運航を休止。現在は四国急行フェリーが唯一の運航会社として1日5往復していた。4月に開幕した瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)2019に期待を寄せたが、収益の改善には至らなかった。そして、瀬戸芸の閉幕から1週間後、運航休止を届け出た。

四国急行フェリーを抱える四国フェリーグループ(高松市)は10年2月に1度、同航路の廃止届を提出している。この時は地元の要望や社内の「ミニマムでも残してほしい」との声を受け、廃止届を取り下げた。

今回は廃止ではなく休止とすることで再開の可能性を残した。堀川社長は「離島航路に準じた支援が受けられるように行政が動いてくれるなら、再開したいという思いはある」と述べた。運休後も設備は残し、社員はグループの中で吸収する。

同航路の休止届が提出されたことを踏まえ、香川県の浜田恵造知事は「残念であり、重く受け止めている」とコメント。岡山県の伊原木隆太知事は「利用者が大きく減少している現状を鑑みると、残念ではあるが、やむを得ないものと受け止めている」とのコメントを発表した。

今回の運休を受けて、香川、岡山、高松、玉野の2県2市は今後、「宇野高松間地域交通連絡協議会」を開き、対応策を話し合う。堀川社長が望む離島航路に準じた支援は、長らく訴えてきた経緯があり、瀬戸大橋とつながる四国は離島ではないと、手厚い支援を受けられずにきた。休止という形で行政側にボールを投げたものの、再開への道は極めて険しいとみられる。

(辻征弥)

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