国とメーカーに賠償命令 建設石綿訴訟、福岡高裁

九州・沖縄
2019/11/11 17:32
保存
共有
印刷
その他

建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんなどを発症したとして、九州4県の元建設労働者と遺族計54人が国と建材メーカー12社に計約10億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が11日、福岡高裁であった。山之内紀行裁判長はメーカーの責任を認めなかった一審・福岡地裁判決を変更し、国とメーカー4社に計約3億4千万円を支払うよう命じた。

原告のうち「一人親方」と呼ばれる個人事業主への国の賠償責任も二審で新たに認めた。厚生労働省によると、全国16件の同種訴訟で高裁判決は5例目。国とメーカー双方の責任を認め、一人親方を救済した判決は高裁で3例目となる。

山之内裁判長は判決理由で、メーカーには遅くとも1975年時点で石綿関連の疾患を発症する危険性の予見可能性があったと指摘。「建材の切断で生じる石綿粉じんにより生命、身体に重大な危険性が生じることなどの警告を表示する義務を負っていた」と述べた。

一審で「労働安全衛生法の保護対象となる労働者にあたらない」とされた一人親方については「契約形式に違いがあるだけで、労働者と同様の指示命令系統に組み込まれている」と指摘。国が損害賠償責任を負わないのは妥当でないとした。

厚生労働省は「判決内容を精査し、対応を検討したい」とのコメントを出した。

一審・福岡地裁判決は「防じんマスク義務付けが遅れた」などとして国の責任を認めたが、メーカー側については「石綿の危険性の共通認識がなかった」として認めず、原告側と国が控訴していた。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]