稲川会元会長の使用者責任認めず 特殊詐欺巡り東京地裁

2019/11/11 16:42
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暴力団稲川会系組員らによる特殊詐欺事件の被害に遭った70代の女性が、稲川会の辛炳圭(通称清田次郎)元会長に2150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。小川理津子裁判長は「詐欺は稲川会の威力を利用した資金獲得行為とは認められない」などとして、暴力団対策法と民法の両面で使用者責任を認めず、請求を棄却した。

原告弁護団によると、特殊詐欺に絡んで暴力団トップの使用者責任を認めなかった判決は2件目。責任を認めてトップに賠償を命じた判決も2件あり、司法判断は割れている。

小川裁判長は判決で、組員が詐欺に使う携帯電話などをどう準備したかは明らかでなく、稲川会が協力したと認められる証拠もないと指摘。共犯者に暴力団組員であることを示した証拠もないとして、稲川会の威力を利用したとはいえないと判断した。詐取金が稲川会の収益になった証拠もないとして、民法上の使用者責任も否定した。

2008年施行の改正暴力団対策法は、組員が資金を獲得する際に組織の威力を利用して他人の生命や財産を侵害した場合、暴力団の代表者も賠償責任を負うと規定している。

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