サウジアラムコが目論見書 売り出し規模は明記せず

2019/11/10 13:29
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サウジの改革の旗振り役であるムハンマド皇太子(10月14日、リヤド)=ロイター

サウジの改革の旗振り役であるムハンマド皇太子(10月14日、リヤド)=ロイター

【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは9日夜(日本時間10日午前)、国内市場での新規株式公開(IPO)に関する目論見書を公表した。個人向けに全体の0.5%を販売する計画としたものの、機関投資家向けを含む全体の売り出し規模については明らかにしなかった。取引開始日も明記していない。

アラムコはIPOを国内と国外に分け、サウジ証券取引所(タダウル)への上場を先行させる。アラムコは5%の株式を公開する意向で、うち国内上場分は1~3%とみられている。

価格決定のためのブックビルディング(需要積み上げ)期間は11月17日から12月4日とした。個人投資家は11月28日までに購入の申し込みをする必要がある。アラムコとIPOを支援する金融機関は、この期間の需要動向をみて売り出し価格を決める。

目論見書にはテロ攻撃や紛争によって施設が被害を受けたり株価が下落したりするおそれがあることや、石油の生産は石油輸出国機構(OPEC)加盟国である政府の決定に影響されることなどが記載された。

サウジの実力者ムハンマド皇太子はアラムコの企業価値を「2兆ドル(約220兆円)以上」と主張してきた。原油価格の低迷もあり、市場では「1.2兆~1.7兆ドル」との見方が多い。250億ドルを調達した中国のアリババ集団を超え、史上最大のIPO案件になる可能性がある。

アラムコのIPOの対象は発行済みの株式のみ。株を買うことができるのはサウジ人のほか、サウジと湾岸協力会議(GCC)に居住する非サウジ人、当局がライセンスを付与した内外の機関投資家だ。

サウジの株式は2019年から国際的な新興市場投資の指標である「MSCI新興国株指数」に組み込まれた。投資信託などを保有する「パッシブ運用」の投資家も、間接的にアラムコ株に投資する形になる。

目論見書ではIPOを支援する国際金融機関が公式に明らかになった。共同財務アドバイザーに、シティグループ、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、HSBC、JPモルガン、メリルリンチ、モルガン・スタンレー、NCBキャピタル、サンバ・キャピタルの9社が選ばれた。日本の3メガグループも共同幹事(ブックランナー)などに加わってIPOを支援する。

サウジ政府はIPOを成功させるため、国内の有力王族らにアラムコ株式の取得を求めている。中国やマレーシア、アラブ首長国連邦(UAE)の機関投資家との間でも販売の協議を進めているもようだ。サウジはアラムコ株式の販売代金を元手に、皇太子が掲げる「石油にたよらない国づくり」の改革を推進するかまえだ。

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