独首相「壊せない壁ない」 ベルリンの壁崩壊30年で式典

2019/11/9 22:03
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小雨が降るなか、ベルリンの壁崩壊から30年の式典に参加するメルケル独首相=AP

小雨が降るなか、ベルリンの壁崩壊から30年の式典に参加するメルケル独首相=AP

【ベルリン=石川潤】東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊してから30年となる9日、ドイツのメルケル首相は記念式典で「人々や自由を抑え込もうとしても、壊せない壁はない」と語った。欧州ではポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭で自由や民主主義の後退も指摘されるが、「勇気を失ってはいけない」と呼びかけた。

旧西ベルリンを囲んでいた長さ約160キロの壁は1989年11月9日の夜、押しかけた旧東ベルリンの市民の力で崩壊した。61年に壁ができて以来、壁を越えようとするなどして少なくとも140人が犠牲になったとされる。メルケル氏は「自由を求めたために命を落とした人々」への哀悼の意を示した。

メルケル氏は多くの犠牲のもとに手に入れた民主主義、法による支配、人間の尊厳を守っていかなければいけないと訴えた。そのうえで、自由を守るとともに、憎しみや人種主義、反ユダヤ主義に立ち向かうよう求めた。

式典には同じ年に民主化を実現したポーランドやハンガリー、チェコ、スロバキアの大統領が出席した。ただ、ポーランドやハンガリーではポピュリズム政党が政権を握るなど、民主化の逆回転が懸念されている。

西側の盟主だった米国ではトランプ大統領が「自国第一」を唱えている。米欧の足並みの乱れを背景に、フランスのマクロン仏大統領が北大西洋条約機構(NATO)を「脳死状態」と指摘するなど、冷戦後の体制は試練を迎えている。

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