独首相、紛争解決で「役割果たす」 国防費の増額視野に

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ヨーロッパ
2019/11/9 1:35
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【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相が8日、米国のポンペオ国務長官とベルリン市内で会談した。メルケル氏は会談前の記者会見で「ドイツは紛争解決に積極的な役割を果たしていく」と語り、国防費拡大などを求める米国に歩み寄る姿勢を明確にした。ポンペオ氏も「ドイツは我々にとって極めて重要なパートナーだ」と応じ、直接の批判を避けた。

ポンペオ米国務長官(右)はベルリンでメルケル独首相と会談した=ロイター

ドイツの国防費を巡っては、トランプ米大統領が国内総生産(GDP)の2%まで増やすように強く求めている。ドイツ側はクランプカレンバウアー国防相が7日、2031年までの達成を目指す考えを表明し、ポンペオ氏の訪独をきっかけに国防費の増額に向けて動き始めていた。

北大西洋条約機構(NATO)が掲げる「24年までに2%」という目標には間に合わないが、ポンペオ氏は正面から批判しなかった。マクロン仏大統領が雑誌のインタビューで「NATOは脳死状態」と答えるなど、米欧ではあつれきが目立つ。ベルリンの壁崩壊から30年、NATO創設から70年の節目を前に、これ以上の対立を避ける狙いがあったとみられる。

もっとも、ポンペオ氏はメルケル氏との会談前の講演で「独東部のドレスデンに駐在していた旧ソ連の国家保安委員会(KGB)将校に率いられたロシア」を強く批判。「エネルギーをプーチン氏に頼ってほしくない」と語り、完成が近づく独ロのガスパイプライン計画をけん制した。

次世代通信網(5G)への華為技術(ファーウェイ)参入の是非など、米独の対立点は多い。ポンペオ氏がメルケル氏に語りかけた「米国の偉大な友人」との言葉を額面通りに受け取る向きはドイツでは少ない。

ポンペオ氏は冷戦時代の80年代に戦車部隊の隊長として、当時のチェコスロバキアや東ドイツとの国境付近に駐在していたことがある。7日にはかつて自分が勤務した地域の米軍基地などを訪れていた。

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