丸紅 航空機リース拡大 1200億円出資の深謀

2019/11/8 18:43
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丸紅が航空機リース事業を拡大する。7日、みずほリースと共同で米航空機リース大手エアキャッスルを買収すると発表した。買収額は約1900億円で、丸紅は約1200億円を投じる。企業や消費者の購買行動で「所有」から「利用」が広がるなか、金融・リースのノウハウ蓄積は将来の成長に必要と判断した。

丸紅は航空機リース事業の拡大を通じ、「所有」から「利用」への事業モデル転換に備える。(写真はエアキャッスル社が保有する小型機)

「リースを今後の注力分野とする戦略だ。エアキャッスルを軸に航空機リース市場の成長をどんどん取り込む」。7日の2019年4~9月期決算説明会で丸紅の柿木真澄社長はエアキャッスル買収の意義をこう説明した。1000億円を上回る大型投資は、2012年のオーストラリアのロイヒル鉄鉱山開発以来となる。

丸紅は10年に航空機リース分野に新規参入し、13年にエアキャッスルに出資した。みずほリースとの共同買収後、丸紅の出資比率は現在の28.8%から50%(直接保有分)に引き上がる。20年中に買収手続きを終え、エアキャッスルは持ち分法適用会社になる予定。

エアキャッスルは航空機の中古機を主に扱う。277機を保有し、48カ国87社の航空会社などにリースしている。純利益は1億5000万~2億ドルの収益を足元であげてきた。丸紅は航空機・エンジン部品の販売取引も得意とする。資産効率の下がった機体を解体し、中古部品として販売することで、エアキャッスルの資産をより有効活用できる。

課題だった資金調達力も高める。航空機リースのビジネスモデルは航空機の資産を増やし、その資産を効率良く運用して収益を最大化する。資金調達力がカギを握るが、「これまで必要資金の調達に非常に四苦八苦していた」(柿木社長)という。みずほリースとの協業で資金調達の機動力をあげられる。

航空会社の機体の運用に占めるリース比率は90年は約1割だったが、現在は約3割といわれる。投資余力の小さい格安航空会社(LCC)が台頭するなか、丸紅は今後も航空機のリース比率は高まるとみる。

1200億円もの巨額の投資を決めたのは、航空機リースの成長性に加え、将来の新たな事業モデルの構築に向けた布石という狙いもある。

モノの所有から利用の流れは航空機や自動車などにとどまらず、今後は生活に身近なモノやサービスにも広がる見通し。モノの利用にはリースは有効な手段となる。丸紅は自動車やトレーラー、貨車などでもリース事業展開している。様々なリース事業を通じ、資産の運用・管理、資金調達などのノウハウを増やす。モノの利用の時代でリースを新たな成長の原動力に育てていく。(星正道)

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