配電に免許制、経産省方針 地域に分散促す

2019/11/8 21:59
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経済産業省は8日の有識者会議で、企業が特定の地域で工場や家庭までの電力供給に参入できる新たな仕組みを設ける方針を示した。免許制を設けて、電力大手が独占してきた配電に他業種が参入できるようになる。大規模な設備で集中して発電してきた電力供給が各地域の再生エネ施設による分散供給へと動き出す。相次ぐ災害による停電で導入の機運が高まった面もある。

新たな仕組みでは家屋や工場、ビルなどにつながる電線の管理・運営に免許制を設け、運営主体に地域限定で電力供給をする企業を加える。免許を得た企業は太陽光や風力でつくる電気などを使い、配電網と呼ぶこれらの電線を通じて供給する。

日本の電力は東京電力などの電力大手が原子力や火力の大規模な発電所から、電力会社が張り巡らせた電線を通って電気を供給してきた。だが9月に発生した台風15号では千葉県を中心に電柱や鉄塔が倒れ、東京電力の配電網が機能せず停電した。

新しい仕組みでは、免許を得た企業が太陽光などで生み出した電気をその場所で消費する「地産地消」の形を想定し、電力大手からの供給がなくても自立することが求められる。電力大手が災害や事故にあっても停電が回避しやすくなる。

今後は電気事業法の改正を念頭に制度の詳細を詰める。電気事業連合会は「単に事業参入を促すのではなく、仮に撤退した場合の影響なども考慮した制度設計が必要だ」と指摘した。有識者からは「地域住民は不安に感じる。説明が必要だ」との意見もあった。

老朽化した電線などの更新は電力大手だけでは限界がある。地域の配電網を他の企業が担えば、更新の費用負担を分散できる面もある。一方で停電を避けるための電線の維持には人手と資金がかかる分、大きな災害で停電した場合にできるだけ早く復旧するための体制も求められる。

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