企業主導型保育所、富山で助成金2800万円過大請求

2019/11/8 18:39
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国の財政を監督する会計検査院が8日公表した2018年度決算検査報告によると、各省庁・機関で計1002億円(計335件)の税金の無駄遣いなどが見つかった。法令に違反する「不当事項」は57億円で、健康保険や厚生年金保険の徴収不足などが目立った。

報告の中で、検査院は国の助成金を受ける「企業主導型保育所」をめぐり、富山市のコンサル会社が助成金約2800万円を過大請求していたと明らかにした。

企業主導型は待機児童の解消を目的に16年から始まり、企業の従業員の子どもが優先して入所できる保育所。企業が設置し保育事業者に運営委託する「単独設置型」や保育事業者が設置し企業が利用する「保育事業者型」などがある。

自治体の認可は不要だが、基準を満たせば整備費の75%相当額が支給され、運営費の助成も受けられる。予算として16~18年度に計約3800億円を計上し、18年3月末までに2597施設の助成が決まった。

助成金などの審査は国が委託した公益財団法人「児童育成協会」が行っているが、審査体制の脆弱さを突く不正行為が後を絶たない。

検査院によると、富山市のコンサル会社は、児童育成協会に企業主導型保育所の工事費として8650万円かかったとの報告書を提出し、16~17年度に6523万円の助成金を受けた。

だが、実際の工事費は2295万円安い6355万円と判明した。そのうち1553万円は保育所とは関係のない部分の改修費だった。虚偽の報告書の提出で、助成金2827万円を過大に受け取っていた。

企業主導型保育所は認可施設並みの助成が受けられるため各地で乱立し、定員割れや突然の休園、助成金の不正受給などのトラブルが相次ぐ。検査院の抽出調査では約4割の同保育所で、入所している児童数が定員の5割に満たないことも発覚している。

背景には事業が急速に拡大したため審査体制が追いついていないことがある。人手不足から審査は書面中心になり、事業者側のずさんな計画が見逃されたという。

検査院は事業を所管する内閣府に改善を要求。内閣府は事業者に財務の健全性を証明する書類の提出を求めたり、審査体制を見直して委託先を公募したりしている。

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