駆け込み「前回より小幅」 9月消費急増、天候も影響

消費税10%
経済
2019/11/8 22:15
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10月の消費増税前の駆け込み需要の全体像が見えてきた。9月の家計の消費額は物価変動の影響を除く実質で前年同月比9.5%増。比較可能な2001年以降で最高の伸びとなったが、前年同月が大雨などで低調だった反動もある。季節要因を除く前年平均との比較では14年の増税前の伸びが大きい。政府は「全体的に駆け込みは前回ほどではない」との見方を強めている。

今回の増税にあたって政府は景気の腰折れを避けようと、食品への軽減税率の導入やキャッシュレス決済でのポイント還元、住宅・自動車の税制優遇など様々な対策を用意した。このため税率が上がる前に買い物を済ませる動きは前回14年の増税時ほど生じていないとみられてきた。

それが増税直前の9月になって様変わりした。総務省が8日発表した9月の家計調査で2人以上世帯の消費支出は30万609円。前年同月比の増加率は9.5%と8月の1.0%から一気に拡大した。たとえば電気冷蔵庫が239.1%増など家電が軒並み伸びた。このほか自転車が180.9%増、鉄道通学定期代が89.5%増、ファンデーションが84.6%増など幅広く駆け込みが顕在化した。

こうした動きは店舗側の統計でも裏付けられている。経済産業省がまとめた商業動態統計で9月の小売販売額は前年同月比9.1%増だった。伸び率が8月の1.8%から急拡大したことも含め家計調査と同じような傾向だ。業態別では自動車の16.9%増、医薬品・化粧品が16.4%増などが目立った。

結局、駆け込みは相当な範囲で生じたようだ。それでも詳しく分析すると、前回の増税前と比べて規模はやや小さかった可能性が高い。14年3月は小売販売額が11.0%の2桁増で、今回の9.1%を上回る。

家計の消費支出の伸び率は今回9月が9.5%で、14年3月の7.2%を上回るが、総務省によると天候要因の影響がある。1年前の9月は関西空港が冠水する大雨などがあったタイミングで消費支出が1.5%減だった。一方で14年の1年前の13年3月は5.2%増と高水準だった。

季節調整した指数(前年平均=100)にすると、19年9月は108.0、14年3月は110.8だ。総務省の担当者は「税率も含めて前提が違うので単純な比較は難しいが、今回の方が駆け込みは弱め」との見方を示す。西村康稔経済財政・再生相も8日の閣議後の記者会見で「全体的に駆け込みは前回ほどではないという認識に変わりはない」と述べた。

もっとも最終的に駆け込み消費がかなり生じたことに違いはない。10月以降の反動減や消費の基調を丁寧に見極める必要があることも変わりはない。

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