中国人民元、基準値も6元台 米中協議の進展期待

中国・台湾
2019/11/8 18:36
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【上海=張勇祥】中国の通貨、人民元が対ドルで上昇に転じている。中国人民銀行(中央銀行)は8日、取引の基準となる為替レート「基準値」を8月7日以来の6元台に設定した。3カ月ぶりの元高水準になる。米中両国が追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと中国商務省が発表、外為市場で元高が進んだ流れを反映した。米国への対抗措置を修正する一環との見方もある。

外為市場では5日に1ドル=6.99元をつけていたが、人民銀が公表する基準値も数日遅れで追随した。人民銀は大手行十数行から受ける元相場の報告値をもとに基準値を算出するが、実際には裁量の余地があり、通貨当局の意向を反映するとの受け止めが多い。

9~10月には外為市場で1ドル=7.1元台だったにもかかわらず、人民銀の基準値は7.07元前後で半ば固定した局面があった。トランプ米政権は中国が為替相場を元安に誘導していると批判してきただけに、6元台の基準値は「貿易協議をまとめたいとの意思を示している」(外国銀行)との指摘があった。

米中の対立が激化した2018年以降、市場は米中関係が悪化すれば元売り、改善に向かうと元買いで反応してきた。元相場は8月に11年ぶりの元安水準となる1ドル=7元まで下落したが、10月中旬に貿易協議が進展すると元高に転じた。

ただ、追加関税を巡ってはなお交渉が続いており、部分合意の署名が12月にずれ込むとの観測も浮かぶ。ナバロ米大統領補佐官(通商担当)の「現時点で(関税撤廃の)合意はない」との発言が伝わると、8日の元相場は小幅ながら元安で推移した。当面は米中交渉の進捗に振り回される公算が大きい。

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