がんゲノム医療、富士通研究所がAIで検討時間半減

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2019/11/8 15:05
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がんゲノム医療における治療方針検討作業の位置付け(出所:富士通研究所)

がんゲノム医療における治療方針検討作業の位置付け(出所:富士通研究所)

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富士通研究所は、東京大学医科学研究所と進めてきた共同研究において、患者の遺伝子を調べて最適な薬を探す「がんゲノム医療」を効率化する人工知能(AI)技術を開発し、実証実験で効果を確認したと発表した。

がんゲノム医療では、がん患者の遺伝子変異から、病気のなりやすさや薬の反応性、副作用などを予測し、患者ごとに最適な医療を提供する。日本においては、がん遺伝子パネル検査が2019年6月から健康保険適用になったため、がんゲノム医療を希望する患者のさらなる増加が予想される。

遺伝子変異に対して医学論文に書かれた過去の症例を参考に治療方針を検討するため、その検討作業に多大な工数がかかる。共同研究では、医学論文中の用語などを文脈から特定する言語処理のAI技術と、ナレッジを医学論文から自動的に抽出して「ナレッジグラフ」と呼ばれるグラフ構造型のデータベースを構築する技術を開発した。

これらの技術を活用し、東大医科研の血液腫瘍内科において実証実験を実施した。86万件の医学論文からがんゲノム医療ナレッジグラフを構築。構築したナレッジグラフには240万件のナレッジが格納されている。さらに、実際の急性骨髄性白血病の過去の診療ケースを題材に、東大医科研の血液腫瘍内科医4人が構築したナレッジグラフを用いた検索を行い、検討作業の時間を測定した。

技術導入による効果のイメージ(出所:富士通研究所)

技術導入による効果のイメージ(出所:富士通研究所)

その結果、論文全体を解読する負担が軽減され、必要な論文に絞った検討作業が可能になった。従来の検討作業では1件当たり平均で約30分かかっていた検討時間が、この技術を活用することで半分以下に削減できることを確認できたという。

(ライター 近藤寿成)

[日経 xTECH 2019年11月7日掲載]

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