宮城県丸森町「美しい風景残したい」、名所の棚田に土砂流入

2019/11/8 10:57
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泥や倒木に覆われた「大張沢尻棚田」と、管理する大槻光一さん(7日、宮城県丸森町)=共同

泥や倒木に覆われた「大張沢尻棚田」と、管理する大槻光一さん(7日、宮城県丸森町)=共同

台風19号の水害に襲われた宮城県丸森町では、日本の棚田百選に認定された「大張沢尻棚田」も、近くの山が崩れて土砂が流れ込むなどした。水を張った田植えの時期や、黄金色の稲穂が揺れる秋に多くの観光客が訪れる名所。「美しい風景を取り戻したい」。管理する住民は来年のコメ作りを見据えるが、復旧の見通しは立っていない。

斜面に大小さまざまな形の田んぼ27枚が連なる棚田。一部が茶色い泥や倒木に覆われ、のり面が大きく損壊した場所も。台風直前に収穫を終え、稲作に影響はなかったが、作付けする丸森町の大槻光一さん(71)は「被害の大きさに言葉を失った」と遠くを見つめた。

大槻さんによると、江戸時代から昭和にかけて開墾、整備され現在の棚田ができたという。景観の美しさなどから1999年に農林水産省が日本の棚田百選に認定した。

以前は近隣住民でつくる保全委員会が管理してきたが、高齢化や過疎化により2012年に解散。「伝統を守りたい」と別の場所で稲作をしていた大槻さんら3人が引き継いだ。毎年約6トンを収穫し、町内の関係者が運営する千葉県流山市の店舗などで販売している。

棚田の復旧に行政からの補助が出るかどうかは分からず、工事は自分たちでする予定だ。大槻さんは「ここで諦めたら引き継ぐ人がいなくなる。なんとか未来につなげたい」と話している。

〔共同〕

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