米中首脳会談、欧州で開催案 農産物・知財なお溝

米中衝突
貿易摩擦
2019/11/7 20:00
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トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は国際会議の場を利用して首脳会談を開いてきた(6月、大阪でのG20サミットに合わせた首脳会談)=ロイター

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は国際会議の場を利用して首脳会談を開いてきた(6月、大阪でのG20サミットに合わせた首脳会談)=ロイター

【北京=原田逸策、ワシントン=鳳山太成】米中両国政府が発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致した。両国は首脳会談で貿易交渉の部分合意を目指すが、農産物の購入額や知的財産権の取り扱いなどを巡っては溝も残る。トランプ米大統領は過去にも合意寸前の交渉を白紙に戻してきた経緯があり、大詰めにさしかかった貿易協議はなお予断を許さない。

第1段階の合意の焦点となる中国による米農産物の輸入額を巡っては、トランプ氏は2年以内に年500億ドル(約5兆5000億円)に増やすよう迫っている。中国は「非現実的だ」と反論、ひとまず両国が貿易戦争に突入する前の200億ドル規模に戻すことを提案しているとの見方がある。

米ホワイトハウス高官によると、為替・金融サービスでは交渉がほぼ終了したが、知的財産権の保護策などは未解決のまま。産業補助金や技術移転の強要など対立が深い中国の構造問題は「第2段階」以降の交渉に先送りする方向だ。

米中両国はさらに交渉を続けた上で、トランプ氏と習近平(シー・ジンピン)国家主席による首脳会談で合意文書への署名を目指している。当初はチリで16~17日に開く予定だったアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて会談する方向だったが、現地の治安悪化で中止となり、新たに開催地を探す必要に迫られている。

ロイター通信は6日、12月上旬に英ロンドンで開く北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が次の機会に挙がっていると報じた。開催地にはスイスやスウェーデンも浮上しているという。

首脳会談の開催地を巡っては曲折が続いてきた。トランプ氏は10月末、新たな場所を「まもなく発表する」と表明していたが、いまだに正式な発表はない。

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)によると、トランプ氏は習氏を米国に招待した。トランプ氏は2020年の米大統領選で激戦が予想される農業州のアイオワを挙げた。ロス商務長官は米本土で中国に近いハワイ州やアラスカ州にも言及した。

一方、中国は米国での会談に慎重だ。習氏が米国にまで出向き、合意できなければダメージは計り知れないためだ。2月にトランプ氏が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長とベトナムで会談しながら、合意文書に署名せずに席を立った件も念頭にある。

APECなどの国際会議ならば、仮に交渉が失敗しても「国際会議に出席するついでに会談した」と国内外に説明できる。貿易戦争が起きた18年7月以降、両者の会談はいずれも20カ国・地域(G20)首脳会議の場だった。

首脳会談の日程が固まらなければ、期限がなくなり協議も進展しづらくなる。米国は12月15日にスマートフォンなど1600億ドル分の中国製品に15%の追加関税をかける構えで、ここが当面の期限になる。

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