ローマ教皇、38年ぶり来日へ 写真と映像で解説
被爆地訪問、天皇陛下と会見

ヨーロッパ
2019/11/16 8:17
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ローマ教皇(法王)が23日に38年ぶりに来日します。カトリック信徒は世界で約13億人いますが、日本は約50万人で人口の1%にも満たない数です。しかし2013年に就任したフランシスコ教皇は以前から訪日を希望していました。被爆地である広島と長崎などを訪れ、平和を願うメッセージを発信する予定です。映像と写真でひもときました。

■ローマ教皇はどんな人?

■滞在中の日程は?

■バチカンはどんな国?

サンピエトロ大聖堂を中心としたバチカンの街並み(ロイター)

サンピエトロ大聖堂を中心としたバチカンの街並み(ロイター)

バチカンはカトリック教会の総本山で、ローマの中心部にあります。世界最小の独立国で、国土面積は東京ドーム10個分と同じくらいです。1984年には世界文化遺産に登録されました。

フランシスコ教皇は理系出身者らしく、布教活動にIT(情報技術)を積極的に取り入れています

■世界に向けて「つぶやき」

フランシスコ教皇のアラビア語公式ツイッター

フランシスコ教皇のアラビア語公式ツイッター

フランシスコ教皇はSNS(交流サイト)の活用に積極的です。アラビア語を含む9カ国語で祈りの言葉などを世界に発信しています。またスマートフォンやタブレット端末向けアプリも布教に活用しています。1月には、信者が教皇と祈ることができるアプリを自ら発表しました。10月に発売された「電子ロザリオ」は、スマホと連動し十字を切るなどの動作をするとアプリから祈りの言葉が流れる仕組みです。

祈りに使うアプリを発表するフランシスコ教皇(1月、バチカン)=AP

祈りに使うアプリを発表するフランシスコ教皇(1月、バチカン)=AP

またバチカンは、大国が一目置くほどの外交力を持っています

■プーチン大統領にも影響力?

ロシアのプーチン大統領(右)と握手するローマ教皇(7月、バチカン)=ロイター

ロシアのプーチン大統領(右)と握手するローマ教皇(7月、バチカン)=ロイター

今年2月にはイスラム発祥の地、アラビア半島を教皇として初訪問しました。7月にはロシアのプーチン大統領とバチカンで中東情勢を協議するなど、国際政治にも大きな影響力を持っています。

教皇が訪れる予定の広島と長崎の街を歩いてみました

■広島 核兵器の悲惨さを伝えたい

原爆で焼け焦げた三輪車とヘルメット(広島平和記念資料館・鉄谷信男氏寄贈)=藤井凱撮影

原爆で焼け焦げた三輪車とヘルメット(広島平和記念資料館・鉄谷信男氏寄贈)=藤井凱撮影

81年に来日したローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、平和記念資料館を訪れています。ここには約2万点の被爆資料が収蔵されています。亡くなった男の子が乗っていた三輪車の無残な状態から、爆風のすさまじさが伝わってきます。

今回の来日に特別な思いを寄せる人たちがいます。カトリック幟町教会の神父、深堀升治さん(82)は被爆者です。「教皇にはぜひこの地で平和のメッセージを発信してもらいたい」と期待しています。

被爆者でカトリック教会の神父を務める深堀升治さん=藤井凱撮影

被爆者でカトリック教会の神父を務める深堀升治さん=藤井凱撮影

平和記念資料館にはヨハネ・パウロ2世のスピーチの一節が石に刻まれています。碑文を書いた書家の森下弘さん(89)も被爆者の一人です。教皇には「核や戦争の悲惨さを伝えてほしい」と願っています。

1981年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が広島で行ったスピーチの一節を刻んだ石碑(広島平和記念資料館)=藤井凱撮影

1981年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が広島で行ったスピーチの一節を刻んだ石碑(広島平和記念資料館)=藤井凱撮影

碑文を書いた書家の森下弘さんも被爆者の一人=藤井凱撮影

碑文を書いた書家の森下弘さんも被爆者の一人=藤井凱撮影

若い世代も思いを寄せています。市立工業高校の生徒は、かつて市内の聖堂で使われていた建材の銅板を使い、教皇に贈る折り鶴を制作しました。佐藤匠さん(18)は「僕たちの行動は小さなことですが、その積み重ねが世界の平和につながれば」と話しています。

市内の聖堂で使われていた銅板で、ローマ教皇に贈る折り鶴を作る佐藤匠さん(左)ら(広島市立工業高校)=藤井凱撮影

市内の聖堂で使われていた銅板で、ローマ教皇に贈る折り鶴を作る佐藤匠さん(左)ら(広島市立工業高校)=藤井凱撮影

広島平和記念公園を歩く佐藤匠さん(右)と祖父の小原治朗さん(74)。小原さんは38年前の教皇来日時に警察官として警備にあたった=藤井凱撮影

広島平和記念公園を歩く佐藤匠さん(右)と祖父の小原治朗さん(74)。小原さんは38年前の教皇来日時に警察官として警備にあたった=藤井凱撮影

■長崎 郷土の味覚も世界へ

平和公園の平和祈念像(長崎市)

平和公園の平和祈念像(長崎市)

長崎では食文化の発信に期待が膨らんでいるようです

ローマ教皇へ贈る水産加工品などの品々(長崎県大村市)=樋口慧撮影

ローマ教皇へ贈る水産加工品などの品々(長崎県大村市)=樋口慧撮影

24日に教皇を迎える長崎県では、県の特産品や日本の伝統食を贈る取り組みが進んでいます。からすみやフグの冷薫製、和菓子などです。

九州を中心に活動する「天正遣欧使節顕彰会」のメンバーが中心で、昨年バチカンで教皇と面会しています。

フランシスコ教皇と面会した「天正遣欧使節顕彰会」の人たち(2018年9月、バチカン)=同会提供

フランシスコ教皇と面会した「天正遣欧使節顕彰会」の人たち(2018年9月、バチカン)=同会提供

今回特産品を贈るうちの一人、水産仲卸「丸菱商店」の山内一晃さん(34)は「長崎は自然が豊かで海産物の種類が豊富。これを機会に世界でも知名度を高めたい」と意気込んでいます。

丸菱商店の山内一晃さん。早朝から次々と入る注文をさばく(長崎市)=樋口慧撮影

丸菱商店の山内一晃さん。早朝から次々と入る注文をさばく(長崎市)=樋口慧撮影

長崎・五島産のキビナ(キビナゴ)=樋口慧撮影

長崎・五島産のキビナ(キビナゴ)=樋口慧撮影

起伏に富んだ長崎の地形。豊かな自然が海の恵みをはぐくむ=樋口慧撮影

起伏に富んだ長崎の地形。豊かな自然が海の恵みをはぐくむ=樋口慧撮影

取材・千葉大史、藤井凱、樋口慧  編集・森本学、湯沢華織、鈴木輝良

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