中国・習主席、ブラジルとギリシャ訪問へ 10日から
【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は10日から15日までギリシャとブラジルを訪問する。中国外務省が発表した。ブラジルでは新興5カ国(BRICS)首脳会議に出席する。経済から安全保障分野にまで及ぶ米国との対立が長期化するとみて、関係国との連携を強化する。

習氏はブラジルではロシア、インドなどの首脳と積極的に首脳会談をこなす見通し。「反保護主義」を掲げ、5カ国で足並みをそろえる構え。
中国政府によると、ブラジルに先立ち訪問するギリシャとはエネルギー、交通、通信分野での協力を進める。ギリシャには中国が建設・運営に関与する「ピレウス港」がある。中国が広域経済圏「一帯一路」で欧州攻略の足がかりとして位置づけている重要拠点だ。
中国と中東欧地域の計16カ国との首脳会議「16+1」にギリシャは今年初めて参加した。習氏の訪問には両国が最近、距離を縮めているのを印象づける思惑もありそうだ。習氏はブラジルを訪問後、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のためチリを訪れる計画だったが、チリ国内で続く反政府デモの影響で会議は中止になった。