米国で天然ガス上昇 寒波受け5カ月ぶり高値
米国で天然ガスの先物価格が上昇している。指標となるニューヨーク市場のヘンリーハブ価格(期近)は100万BTU(英国熱量単位)あたり2.8ドル台と、この1カ月で2割超上がり、ほぼ5カ月ぶりの高値圏にある。寒波襲来で気温が平年を下回るとの予想が広がり、暖房用需要が強まった。

米国ではシェールガス生産が高水準で在庫の積み増しが続いた。11月中旬にかけて冷え込みが強まるとの予報を受けて、本格的な需要期入りが早まり在庫の取り崩しが進むとの見方が拡大。売り持ち高を抱えた市場参加者の買い戻しが広がり上げ幅が大きくなった。
液化石油ガス(LPG)も値上がりした。暖房や穀物乾燥に使う米国産プロパン価格は、指標であるテキサス州モントベルビュー地区のスポット(随時契約)価格が1トン266ドル前後と、7月中旬以来の高値圏。収穫した穀物の乾燥用需要が強まる時期に、暖房用需要増が加わった。
ただ米の天然ガス先物は昨冬に比べると安い。米中貿易摩擦のあおりで中国向けの輸出が減少したことが響き、年明けから夏場にかけての下げ幅は3割に達していた。実需の伸びで下げ相場が一服した格好だ。
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