米、共和に動揺 トランプ氏の求心力に影 地方選で苦戦

2019/11/7 21:21
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【ワシントン=永沢毅】5日投開票された米国の地方選で共和党が苦戦を強いられるケースが目立ち、党内に動揺が走っている。トランプ大統領の求心力の低下は、野党・民主党が進める弾劾調査への反対で足並みをそろえる党内の結束に影を落としかねない。

米南部ケンタッキー州知事選で勝利宣言する民主党の新人候補=AP

5日は南部ケンタッキー州知事選や同ミシシッピ州知事選、同バージニア州議会選など主要な地方選が実施された。このうち共和党に最も打撃を与えたのは南部ケンタッキー州知事選だ。

同州は16年にトランプ氏が30ポイント差で民主のヒラリー・クリントン元国務長官を破った保守の牙城にもかかわらず、今回は共和の現職知事ベビン氏が民主の新人候補ビシア州司法長官に僅差でリードを許す展開となった。ビシア氏は得票率49.2%とベビン氏の48.8%をわずかに上回って勝利宣言した。約5千票の僅差にベビン氏は敗北を認めず、6日に開票結果を点検するよう要求した。

共和内では9月に始まった民主の弾劾調査がトランプ氏の支持基盤を鼓舞し、投票率向上を通じて選挙での共和候補の集票を活性化させるとの見立てもあった。少なくともケンタッキー州知事選ではそうした傾向は明確にはうかがえなかった。

トランプ氏に反発する民主支持層が勢いづいているとの分析もある。5日投開票の南部バージニア州議会選は、25年ぶりに民主が上下両院ともに過半数を獲得した。米メディアによると、ケンタッキーとバージニアで共通するのは、郊外に住む若者や女性ら民主支持層の投票率が大きく上昇した点だという。

弾劾調査への反対で一枚岩だった共和の結束にヒビが生まれれば、弾劾訴追の行方にも影響しかねない。下院で過半数を握る民主は数の上ではトランプ氏を訴追できるが、罷免するには上院(定数100人)の弾劾裁判で3分の2以上の67人の賛成を要する。共和から20人の造反者が必要だが、トランプ氏の求心力に陰りが出れば造反議員が続出する展開もないとはいえない。

トランプ氏はケンタッキー州知事選のテコ入れのために4日に現地入りして集会を開いた。6日にはツイッターで「私の集会で15ポイント、いやおそらく20ポイントは増えた」と主張したが、その思惑は空振りに終わった。

同州知事は「私への投票は大統領を追及している民主への懲罰だ」と弾劾調査と関連づけて支持拡大を狙った。ただ、自らが進める政策に反対する有権者を激しく罵るなどその言動が問題視され、かねて苦戦が予想されていた。

同じタイミングで実施された州務長官、州司法長官の両選挙はいずれも共和候補が制しており、苦戦はベビン氏の個人的な資質による部分も大きい。南部ミシシッピ州知事選も共和が勝利している。

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