フィリピン7~9月期、6・2%成長 公共支出が拡大

2019/11/7 19:30
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【マニラ=遠藤淳】フィリピン統計庁は7日、2019年7~9月期の実質国内総生産(GDP)伸び率が前年同期比6.2%だったと発表した。3四半期ぶりに6%台に回復した。今年度の予算案の承認が4カ月も遅れ、インフラ関連の公共支出の実施を政府が急いだことで、伸びが拡大した。米中貿易戦争の影響もあり、経済は依然として力強さを欠く。

フィリピン・マニラで進む大型総合駅の建設工事(5月)=三村幸作撮影

成長率が持ち直したのは、19年度の予算案が予定より4カ月間遅れて4月に成立し、ようやく執行されたことが大きい。政府支出の伸び率は9.6%と、7%台にとどまった前2四半期から拡大した。マニラ首都圏に隣接するカビテ州では、小規模空港の拡張工事が急ピッチで進み始めた。

一方、国家経済開発庁のペルニア長官は、7日開いた記者会見で「米中貿易戦争は今後、我が国にとって最大のリスク」と話した。貿易戦争が長期化するなか、外資大手の間では中国からベトナムやマレーシアなどへの生産移管が進む。しかし、フィリピンは移管先として魅力は乏しいとされ、生産も活性化せず、7~9月期の輸出の伸び率も横ばいにとどまった。

世界銀行は10月、貿易戦争など外部環境が悪化しているとし、フィリピンの20年の成長率予測を6.1%と、従来予測から0.4ポイント引き下げた。貿易戦争の長期化が経済成長の下押し圧力となるとみて予想を見直した。

一方、政府は19年通年では6~7%の成長率目標を掲げている。だが、目標達成には10~12月期に6.7%の高い成長が必要で容易ではない。当面、政府のインフラ支出頼みが続きそうだ。

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