トランプ氏「外交悪用」 外交官ら証言か 13日から公聴会
ウクライナ疑惑で 政権、法律顧問増やし防戦

2019/11/7 21:21
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【ワシントン=中村亮】ウクライナをめぐるトランプ米大統領の不正疑惑に関する公聴会を13日に始める日程が固まり、野党・民主党の弾劾調査が本格化する。証人のキャリア外交官らは政権が外交政策を悪用し、2020年の大統領選の有力候補のバイデン前副大統領に関する不正調査をウクライナ政府に迫ったと証言する見込みだ。ホワイトハウスは法律顧問を増員し、厳しい追及に耐え抜く体制を整える。

公聴会では駐ウクライナ代理大使であるテーラー氏の証言に注目が集まる=AP

下院情報特別委員会は6日、13日に駐ウクライナ代理大使のウィリアム・テーラー氏と国務次官補代理(ウクライナ担当)のジョージ・ケント氏、15日に元駐ウクライナ大使のマリー・ヨバノビッチ氏の公聴会を開くと発表した。3人とも経験豊富なキャリア外交官で、議会の非公開証言に応じていた。米大手テレビ局は公聴会を生中継するとみられ、ウクライナ疑惑に対する世論の関心が一気に高まるのは確実だ。

目玉はテーラー氏だ。6日公表の証言記録によると、ウクライナ政府がバイデン氏の調査を開始した場合には「米政治への介入」と見なされ、「米国の誰かを利する」と指摘した。バイデン氏に不利な情報が出れば、トランプ氏の大統領再選を支援したとみなされると懸念した発言だ。

トランプ氏は「バイデン氏に関する腐敗対策を求めただけだ」などと選挙支援の要請を否定しているが、この証言で「選挙対策」との見方が米政府内に広がっていたことが鮮明になった。

テーラー氏は政権がウクライナとの首脳会談の中止を持ち出し、同国にバイデン氏の調査を迫ったと認めた。ロシアへの対抗で米国との連携を求めるウクライナの弱みをついた「見返り要求」とみなした。

米CNNテレビによると、ホワイトハウス関係者はテーラー氏の証言記録をめぐり「トランプ氏に最も打撃になるものだ」と警戒感を隠さない。テーラー氏は元軍人で、アフガニスタンやイラク、イスラエルに駐在した経験豊富な外交官だ。超党派の支持があり、発言の重みも増す。ホワイトハウスはトランプ氏に近い弁護士2人を新たに法律顧問に加えて調査への対応を強化する。

15日に証言するヨバノビッチ氏は、ジュリアーニ大統領顧問弁護士から激しい解任の圧力を受けた人物だ。サリバン国務副長官は「何も悪いことはしていないが、トランプ氏が決めたことだ」と召還の理由を説明した。ジュリアーニ氏の解任工作は調査実現に向けた環境整備の意味合いがあった疑いが指摘され、公聴会の焦点になる。

トランプ氏の弾劾訴追を目指す民主党にとって公聴会は最も重要なプロセスだ。疑惑の深刻さを当事者の肉声で分かりやすく訴えられれば、共和党からも訴追を支持する造反者が出る可能性がある。トランプ氏は6日のルイジアナ州での集会で「でっち上げの調査を始めた民主党に責任を取らせる」と対決姿勢を鮮明にした。支持基盤の揺らぎを最小限にとどめたい意向をにじませた。

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