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ボクサーのジム移籍 新ルールがスタート

2019/11/12 5:00
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この秋、プロボクシングのジムと選手の新たな契約制度がスタートした。統括団体の日本ボクシングコミッション(JBC)と、全国のジムが加盟する日本プロボクシング協会は10月1日から「統一契約書」を導入したのを機に、これまで移籍する際に必要だった所属ジムの承諾を撤廃。最大3年の契約期間を満了した選手が移籍を希望する場合、移籍金なしで移ることができるようになる。

日本ボクシングコミッションはボクサーが自由に移籍できる新しいルールの適用を決めた

日本ボクシングコミッションはボクサーが自由に移籍できる新しいルールの適用を決めた

統一契約書ではボクサーとマネジャー(ジム)の契約期間は「3年間を超えることができない」と明記している。これ自体は従来の契約書と変わらない。今回の一番の変化は移籍を巡るルールだ。

これまでは契約期間を全うしたボクサーが移籍を希望する場合でも、所属していたジム会長の署名が入った移籍届をJBCに提出する必要があった。明文化された規定ではないが、JBCも慣例として提出を求めてきた。また、ジム間で移籍金が発生し、選手自らが負担するケースも少なくない。こうした業界暗黙のルールが壁となって移籍できず、引退に追い込まれる選手も多くいたという。

新ルールの下では、3年間の契約を満了した選手が移籍を希望する場合、ジムの承諾は必要なくなり移籍金も発生しない。契約満了日の2カ月前から更新拒否の意思表示をジム側にすることができ、そこからは他のジムとも自由に契約交渉できるようになる。

新制度の導入は、公正取引委員会がスポーツ界における移籍制限に警告を発したのも大きい。JBCの安河内剛事務局長は「この2~3年、ジムとのトラブルに関する相談がすごく増えている。これまではジム間の自助努力での解決を期待し、移籍届の提出もその一つだった。だが、業界内の秩序が一般社会の感覚に合わなくなっている以上、見直さなければいけない」と説明する。日本のジム制度は大相撲の部屋制度を模したとされるが、ジムとのトラブルに嫌気が差してフリーの身で海外で活動しようとする選手も出ている。安河内氏は「新ルールはジム制度を壊すのではなく、守るためだ」と強調する。

「ようやく育ったところで出て行かれたら育成意欲を失う」「選手との関係がドライになる」というジムの声も聞こえてくる。ファイトマネー、試合機会、練習環境などで選手を引き付けられないジムは生き残りが難しくなるだろう。

井上尚弥や村田諒太らの華やかな活躍の陰で、プロボクサー数や興行数は2000年代前半をピークに右肩下がりが続いている。プロボクシング界が活力を失っている証左といえる。ボクサー、ジム、ファンにとってどうあるべきか、新制度の導入は業界に改革を迫っている。

(山口大介)

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