台風の爪痕各地に 焼却場停止でごみ山積

台風19号
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2019/11/9 2:00
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主要設備が浸水し稼働できなくなったごみ焼却場。オペレーターが動かないクレーンの前に座っていた(10月28日、福島県郡山市)

主要設備が浸水し稼働できなくなったごみ焼却場。オペレーターが動かないクレーンの前に座っていた(10月28日、福島県郡山市)

24時間止まることのないごみ焼却場が静寂に包まれている。行き交う収集車の姿はなく、焼却炉へと運ぶクレーンは止まったまま。山積みのごみを前に、操作員は監視することしかできない。

歩道に積み上げられ回収を待つ災害ごみ(10月30日、福島県郡山市)

歩道に積み上げられ回収を待つ災害ごみ(10月30日、福島県郡山市)

今秋相次いだ台風の被害により各地で大量の災害ごみが発生した。福島県郡山市では、台風19号で阿武隈川が氾濫し「富久山クリーンセンター」の主要設備が浸水した。稼働停止が続いている同センターの浅木秀一所長は「復旧時期は見通せない」と語る。

広域処理のため仮置き場から搬出される家庭ごみ(10月29日、福島県郡山市)

広域処理のため仮置き場から搬出される家庭ごみ(10月29日、福島県郡山市)

市内にもう一つある焼却場だけでは、大量の家庭ごみが処理しきれずにたまっていく。災害ごみの処理まで手が回らない状況だ。周辺自治体への搬出が始まったが、受け入れ可能な量にも限界がある。路上に積み上げられていた家財道具などの廃棄物は徐々に回収され、仮置き場に運び込まれたが、既に4カ所が満杯で閉鎖された。

被害を受けたまま水上に残る太陽光パネル(10月28日、千葉県市原市の山倉ダム)

被害を受けたまま水上に残る太陽光パネル(10月28日、千葉県市原市の山倉ダム)

仮置き場ではあまり見かけない災害ごみもある。9月の台風15号では、5万枚のパネルを設置する山倉水上メガソーラー発電所(千葉県市原市)で火災が発生した。太陽光パネルは破損しても光が当たると発電するため、取り扱いには注意が必要だ。国のガイドラインに準じた廃棄処理が求められ、処分は専門の業者に頼るしかない。産業廃棄物処理の浜田(大阪府高槻市)の担当者は「相談を受けたパネル枚数は、10月だけで平時の約100倍」と困惑している。

19号の上陸から半月後も漂着ごみの撤去作業が行われていた(10月28日、千葉県富津市)

19号の上陸から半月後も漂着ごみの撤去作業が行われていた(10月28日、千葉県富津市)

富津海岸の漂着ごみのなかには「川崎市多摩川管理事務所」と書かれた看板も(10月28日)

富津海岸の漂着ごみのなかには「川崎市多摩川管理事務所」と書かれた看板も(10月28日)

千葉県富津市の海岸は災害ごみで埋め尽くされた。「これほど大量の漂着は聞いたことがない」(同県南部漁港事務所)という。各地の災害ごみの処理には数年かかるとみられ、広域連携が課題になっている。

(写真・文 柏原敬樹 三村幸作 小高顕)

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