【ニューヨーク=吉田圭織】国連は6日、職権乱用の疑いで調査していた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のクレヘンビュール事務局長が辞任したと発表した。報道官が明らかにした。同日発表した調査結果は、クレヘンビュール氏による資金の不正支出や横領はなかったと結論を出したものの「運営上の問題があった」と明らかにした。
UNRWAは、約550万人のパレスチナ難民に教育や医療などを支援している。
国連は、4人のUNRWA幹部による「性的な不品行や親族重用、報復、差別などの職権乱用」を指摘する内部報告書の提出を受けて調査を実施していた。
職権乱用の報道を受け、スイス、オランダ、ベルギーは資産拠出を凍結していた。最大の拠出国の米国が2018年に財政支援を停止し、資金難に悩まされているUNRWAにとってはさらなる痛手となった。