中仏首脳、「パリ協定」維持で協力

2019/11/6 20:43
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【北京=羽田野主、パリ=白石透冴】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は6日、北京の人民大会堂でフランスのマクロン大統領と会談した。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標を維持する方針で一致した。中仏で足並みをそろえ、離脱する方針のトランプ米政権をけん制した。通商分野では中国の輸入拡大を軸とした行動計画で合意した。

握手する中国の習近平国家主席(右)とマクロン仏大統領(6日、北京の人民大会堂)=ロイター

中国国営の新華社が伝えた。習氏は会談で「パリ協定を全面的に実行に移そう」と話した。「国連を国際体制の核心と位置づけ、ともに守っていこう」とも述べた。トランプ米政権は4日にパリ協定からの離脱を国連に正式通告したばかりで、当てこすった格好だ。

中仏首脳で合意した行動計画によると、気候変動と生物多様性の保護で連携を深めていく方針で一致した。

2020年は中国の雲南省・昆明で生物多様性に関する国連の会議を予定しており、中仏で足並みをそろえることも確認した。二酸化炭素(CO2)を排出しない技術の協力も進めることにした。いずれも米国を意識した動きといえる。

中国はフランスに広域経済圏構想「一帯一路」への参加を求めているが、マクロン氏は「一帯一路と欧州連合(EU)の結合を後押ししたい」と述べただけで、参加には言及しなかった。フランス国内で慎重論が強いためだ。中国は経済的なメリットをみせて長期的に取り込む戦略を描く。

行動計画には中仏の巨額の商談内容も盛り込まれた。中心となるのが欧州エアバスの旅客機の購入だ。「中仏は(最新鋭の旅客機の)A350の完成と引き渡しを推進する」と明記した。エアバスの新型プロペラ機やヘリコプターも購入する可能性を示唆している。

フランスの農産品を中国が大量に購入する方針も盛り込んだ。ロイター通信によると、フランス企業20社が中国に鶏肉・牛肉・豚肉を輸出する許可を得た。カモ、ガチョウ、フォアグラなども含まれるという。

豚の精液を中国に輸出するための手続きについても作業を進める。アフリカ豚コレラのまん延で豚の飼育頭数が大幅に減ったことが背景にある。

習氏とマクロン氏は5日に上海で開いた中国国際輸入博覧会を見学。中国国営中央テレビ(CCTV)はフランス館でマクロン氏が習氏にフランス産のワインや牛肉を勧める場面を映した。習氏はカメラを前に「中国への輸出をさらに増やしてほしい」と語った。

中国の原発大手「広核集団」とフランスの電力会社で連携に向けた交渉を両首脳が後押しする方針で一致した。第三国市場での連携にも言及した。マクロン氏の訪中でまとまった商談は150億ドル(1兆6200億円)になるもようだ。

中国共産党の習指導部は貿易や安全保障を巡る米国との対立が長期化するとみて、欧州諸国の切り崩しを進めている。

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