タイ中銀、政策金利を1.25%に引き下げ 過去最低に並ぶ

2019/11/6 17:55
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【バンコク=村松洋兵】タイ中央銀行は6日の金融政策委員会で、政策金利(翌日物レポ金利)を従来の年1.5%から0.25%下げ、1.25%にすると決めた。過去最低の水準に並んだ。利下げは8月以来、2会合ぶりとなる。米中貿易戦争や通貨高の影響で輸出が減少し、景気が減速しているのに対応した。

タイは米中貿易戦争の影響で輸出が減少している(タイ中部のレムチャバン港)

7人の委員のうち5人が利下げを支持し、2人が据え置きを主張した。タイ中銀は国内経済について「輸出の減少で経済成長が潜在力を下回っている」と説明した。輸出の減少は雇用に悪影響を及ぼし、国内消費にも陰りが出ている。対ドルで約6年ぶりの高値水準のバーツ高は主力の観光業に打撃を与えている。

景気減速によりタイの4~6月の実質国内総生産(GDP)伸び率は2.3%と、4年9カ月ぶりの低成長になった。タイ中銀は9月に19年通年の成長率見通しを従来の3.3%から2.8%に下方修正しており、利下げで景気を刺激する。

タイの中銀と財務省は6日、通貨高抑制のための資本流出規制の緩和策を発表した。8日から実施する。個人投資家がタイの仲介機関を経由せずに外国証券に投資できるようにすることや企業や個人が自由に海外に送金できるようにする。

中銀のウィーラタイ総裁は「対策は適宜見直し、追加の規制緩和を検討する」と述べた。7月に外国人投資家の投機的な資金流入を抑止する対策を講じており、それに続く通貨高抑制策となる。

米国は貿易赤字を問題視しており、主要貿易相手国の為替操作を監視している。東南アジアではベトナムやマレーシアが既に「為替監視リスト」に入っている。タイが追加の通貨高抑制策を打ち出したことで、今後対象に含められる可能性が高まってきた。

米通商代表部(USTR)は10月に、タイからの輸入品に認めている特恵関税制度(GSP)を半年後から一部停止すると発表した。タイが労働者の権利を十分に保護していないというのが理由だが、貿易赤字が背景にあるとの見方がある。

米国は6月にインドへの特恵関税制度を廃止し、同国が報復関税を発動して対立が激しくなった。タイなど東南アジア諸国との間でも貿易摩擦に発展する懸念がある。

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