満身創意(岡崎慎司)

フォローする

2部でこそ味わう危機感 もっともっとゴールを

2019/11/6 17:00
保存
共有
印刷
その他

9月から所属するウエスカのスタジアムの収容人数は8千人に満たない。クラブハウスはプレハブのロッカールームとジムがあるだけ。僕に不満はない。むしろこの規模の施設でスペイン1部リーグに昇格したのが素晴らしいと思う。2部に降格した今も返り咲く夢を抱き、戦う選手やサポーターを見ると、施設や見栄えは関係ないと感じる。

9月下旬にゴールした後、3試合得点がなかった。結果も1勝1分け1敗。昇格を目指すクラブのストライカーとして居心地の悪さを感じた。

英プレミアリーグのレスター時代は周囲に合わせることを重視した結果、点取り屋として評価されなくなった。ストライカーの感覚を取り戻すのと同時に仲間に僕という選手を分かってもらうために、新天地ではゴール前でチャンスを待つことを選んだ。

しかし、結果が出ない。自分の考えを改めるべきかもと揺らぎ始めた10月19日のルーゴ戦で得点を決められた。ゴール前の僕に横パスが来たのは、そこにいるとチームメートが理解してくれていたからだろう。ストライカーでありたいと願い、プレーし続けてきた結果だと思う。

10月13日のラシン戦で競り合うウエスカの岡崎(左)。この後、同19、27日とゴールを決めた=共同

10月13日のラシン戦で競り合うウエスカの岡崎(左)。この後、同19、27日とゴールを決めた=共同

ルーゴ戦は敗れたが、僕にとっては非常に良いタイミングのゴールとなった。10月27日のエルチェ戦では先制点を挙げ、勝利に貢献もできた。そうすると「あと1、2点決められたのに」という悔しさの方が大きくなるのだが。

2部とはいえ、レベルは高いと思ってスペインに来た。実際、選手たちはうまいしサッカーをよく知っている。クラブ間の力も拮抗し、簡単なリーグではない。それでも2部は2部だ。

「もし、ウエスカで先発から外れたら、ベンチ外になったら……」と考える。レスターでも落胆したのだから、2部で同じ扱いを受けたら数倍のダメージがあるかもしれない。その危機感は、1部リーグでプレーしていた時とは違う感情だ。後がない、崖っぷちに僕は立っている。

ここで結果を出さないと、スペインやイタリアの1部リーグでプレーすることはなくなる。1部でプレーしたい僕にとって、ここは通過点であり、早く抜け出すにはウエスカを昇格させるのが一番の近道。となると普通にプレーできているだけではダメだ。

「1部に比べれば、2部の方がレベルは低い」という声がある。それは事実だ。しかし、レベルの高低だけでは語れないプレッシャーが2部にはあり、1部を戦うのとは違う種類のメンタルの強さが求められるのも確かだ。

監督に信頼され、ありがたいと感じる一方、チームメートの昇格に懸ける心情を思うと、もっともっとゴールは必要だ。スペイン語もろくに話せない外国人ストライカーがチーム内で堂々とするには、結果を出すしかない。

(ウエスカ所属)

満身創意(岡崎慎司)をMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

サッカーのコラム

電子版トップスポーツトップ

満身創意(岡崎慎司) 一覧

フォローする
10月13日のラシン戦で競り合うウエスカの岡崎(左)。この後、同19、27日とゴールを決めた=共同共同

 9月から所属するウエスカのスタジアムの収容人数は8千人に満たない。クラブハウスはプレハブのロッカールームとジムがあるだけ。僕に不満はない。むしろこの規模の施設でスペイン1部リーグに昇格したのが素晴ら …続き (11/6)

二転三転したスペインへの移籍劇。先発3試合目での初ゴールに安堵感は大きかった=共同共同

 「これで呪縛が解ける」
 9月28日の対ジローナ戦。DFを背負ってトラップし倒れ込みながら右足で放ったボレーが43分にゴールネットを揺らした瞬間、そんなふうに思った。2017年12月13日以来のゴール …続き (10/9)

岡崎は「自分に足りないものを磨く環境がスペインにはあると思う」という=ロイターロイター

 7月30日、スペインリーグ2部マラガと契約した。ここでもイングランド・プレミアリーグの注目度は高く、レスターの奇跡の優勝劇を知る人も多い。メディアもクラブ関係者、チームメートも「プレミアを制したスト …続き (8/14)

ハイライト・スポーツ

[PR]