米ゼロックス、M&Aを加速 富士ゼロ株売却資金で

2019/11/6 7:43
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ゼロックスは富士ゼロックスの売却で得た資金をM&Aに充てる=AP

ゼロックスは富士ゼロックスの売却で得た資金をM&Aに充てる=AP

【ニューヨーク=中山修志】米事務機器大手ゼロックスは5日、富士ゼロックスの株式売却で得た資金をソフト会社などのM&A(合併・買収)に充てる方針を明らかにした。事務機器の需要が低迷するなか、ソフトウエアの強化を通じて法人向けサービスを広げる。機器販売を中心としてきた事業モデルを転換して独力での業績回復を目指す。

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富士フイルムホールディングスとの合弁会社、富士ゼロックスの株式を売却する一方、引き続きプリンターなどの製品供給を受ける。同社のジョン・ビセンティン最高経営責任者(CEO)は同日、「富士フイルムとは独立を保ったままで、一緒に成長する機会を得た」とコメントした。

富士ゼロックス株の売却で得る約23億ドル(約2500億円)は5億5000万ドルを負債の返済にまわし、残りは株主還元とM&A(合併・買収)に充てる。富士フイルムは買収合意の破棄を巡るゼロックスに対する10億ドルの損害賠償訴訟を取り下げる。

世界的なぺーパーレス化の流れの中で、事務機器の長期契約と補給品の販売に頼ってきたゼロックスの業績は低迷している。18年12月期の売上高は前の期比4%減の98億ドルと32年ぶりに100億ドルを下回り、ピークだった11年12月期の5割以下まで減少した。

ブライトン証券のジョージ・コンボイ氏は「事務機器市場は57年前の提携時から大きく変わった。ゼロックスは苦境が続いていたが、まとまった現金が入れば経営改善が見込める」と指摘する。訴訟リスクの解消と財務の改善が好感され、5日の米株式市場でゼロックス株は前日終値比5%上昇した。

ゼロックスは1962年に富士フイルムの前身企業と合弁で富士ゼロックスを設立した。現在は25%を出資している。2018年1月に富士フイルムがゼロックス本体の買収を発表し同社も受け入れる方針だったが、ゼロックス大株主の反対を受けて5月に買収合意を破棄した。富士フイルムはその後も買収を目指していたが11月5日に断念を表明。富士ゼロックスに対するゼロックスの持ち分を買い取ると発表した。

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