中国でWTO閣僚会合 30カ国・地域が参加
改革案で論点整理
【上海=原田逸策】世界貿易機関(WTO)は5日、上海市内で一部の加盟国の閣僚を集めた会合を開いた。33の国・地域が参加した。WTOは2020年6月にすべての加盟国が参加する閣僚会合を予定するが、それに向けてWTO改革案の論点整理などを進めた。

共同声明は採択しなかった。会合後に記者会見した中国商務省世界貿易局の洪暁東局長は「参加したすべての閣僚が保護主義と単独主義に反対し、多角的貿易体制への支持を表明した」などと語った。漁業補助金の交渉を急ぐ点でも多くの参加者が一致したという。
上海で5日に中国国際輸入博覧会が開幕したのに合わせて開いた。中国が議長を務め、欧州連合(EU)、インドなどが参加した。米国は輸入博にも政府高官を派遣しておらず、WTO会合も参加を見送った。日本からは経済産業省の牧原秀樹副大臣が出席した。
WTO改革を巡っては、補助金などを通報しなかった場合の罰則を強化すべきかどうか、紛争解決手続きを担う上級委員会の欠員をどうするかなどの論点が浮上している。いまは各国が自己申告する「発展途上国」の定義をどうするかも課題になっている。