竹本津駒太夫が六代目錣太夫襲名 2020年1月

文化往来
2019/11/10 2:00
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人形浄瑠璃文楽の太夫、竹本津駒太夫(つこまだゆう)(70)が2020年1月、六代目竹本錣太夫(しころだゆう)を襲名する。五代目錣太夫は明治から昭和初期にかけて活躍した名人で、名跡が復活するのは80年ぶり。津駒太夫は「立派な名跡をいただくので、錣太夫の名前を大きく立派なものにして、将来に残したい」と抱負を述べた。

六代目竹本錣太夫を襲名する竹本津駒太夫(大阪市中央区の国立文楽劇場)

六代目竹本錣太夫を襲名する竹本津駒太夫(大阪市中央区の国立文楽劇場)

五代目錣太夫は、六代目鶴澤寛治と組んで多くの音源を残しており、この縁で、死後は寛治の家が名跡を預かっていた。津駒太夫は六代目寛治から浄瑠璃の手ほどきをうけ、七代目寛治とは長年組んで舞台を勤めてきた。「六代目寛治師匠も、七代目寛治師匠も、錣太夫の思い出とともに、この名を世に出してほしいと常々話していた」といい「寛治師匠のご遺族にお許しをいただき、襲名することになった」。

津駒太夫は1969年に四代目竹本津太夫に入門し、70年に初舞台を踏んだ。これまでに何度か幼名である津駒太夫からの名前替えを考えたが、機会を逃してきた。2019年が師匠津太夫の三十三回忌にあたり、また自身も古希を迎えたことから「これを逃したら名前を変えるチャンスはない」と襲名を決意したという。はじめは歴史のある名跡ではなく、新しい名前に改名することを考えていたが、太夫の最高位の切り場語りである豊竹咲太夫に相談したところ「埋もれている名前を世に出すことも務めだ」と助言されたという。

「自由奔放で、浄瑠璃の枠にとらわれずに浄瑠璃の楽しさや広がりを伝えた五代目には及ばないが、そういう自由な表現を目指して自分の器を広げていきたい」と津駒太夫。襲名披露公演は20年1月の国立文楽劇場(大阪市)に続き、2月の国立劇場小劇場(東京・千代田)で開く。演目は「傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居(とさのしょうげんかんきょ)の段」。

(小国由美子)

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