トヨタホーム、災害時に強い家売り込み 電動車が電力
トヨタホームは9日から、愛知県豊田市で災害時の停電や断水に強い住宅のモデルハウスを消費者など一般向けに公開する。停電時にプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車から家まるごとに電力を供給できるシステムや断水時に使える飲料水タンクなどを備える。台風などで大規模災害が相次ぎ、防災や減災への関心が高まるなか、最新のシステムをそろえて需要を喚起する。

トヨタホームが豊田市で運営する総合住宅展示場「アトリスパークとよた」に、災害時に停電しても電力が供給できるような設備を複数備えたモデルハウスを設けた。
目玉が「ビークルトゥーホーム(V2H)」と呼ぶ電動車から電力を供給するデンソー製のスタンドなどから成るシステムだ。出力約6キロワットと冷蔵庫やエアコン、IH調理器など一般的な家庭の電力はまるごと給電できる。トヨタ自動車の「プリウスPHV」の場合、ガソリン満タンで最大約4日間供給できる。日産自動車など他社の電気自動車にも対応車種がある。新築時の設置費用は約120万円。
飲料水タンクは水道から新鮮な水を取り入れ断水時にためてポンプを使ってキッチンの蛇口などから水が使える。120リットルと4人家族で約10日分をまかなえるという。費用は約50万円だ。
このほかリチウムイオン蓄電池や家庭用燃料電池「エネファーム」、太陽光発電などを使ったシステムも提案する。各設備は順次販売を始めている。トヨタホームの山根満取締役は「台風災害でこれらの装置の問い合わせがきており、需要はかなり増えてくる見込みだ」と話す。