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中部景気「研究・省人化投資が下支え」 黒田日銀総裁

講演する日銀の黒田総裁(5日、名古屋市中区)

日銀の黒田東彦総裁は5日、中部経済界との懇談会を名古屋市内で開いた。黒田氏は中部地方の景気について「将来を見据えた研究開発投資や省人化・省力化投資が増えており、景気の拡大基調を下支えしている」と述べた。中部経済の底堅さを「ものづくりの能力や消費者ニーズをきめ細かく捉える分析力の高さがある」と評価した。

日銀は中部3県(愛知、岐阜、三重)の景気を2017年10月から最上位の「拡大」と判断している。黒田氏は中部経済を「底堅い状況が続いている」と指摘。高い有効求人倍率や高水準の企業収益を要因に挙げた。

懇談会では中部経済界の代表者から為替相場の安定を求める声があがった。輸出型企業が多い中部は為替レートの変動が企業収益に大きな影響を与える。黒田氏は「為替相場は安定して推移するのが望ましい」とした上で「為替相場をはじめ国際金融市場の動向が経済や物価に与える影響に目を凝らしたい」と述べた。

黒田氏が懇談会後の記者会見で中部地方の「急務」と指摘したのは事業承継への対応だ。中部は主要産業の自動車など幅広い産業が集積している。黒田氏は「サプライチェーンの維持・強化には地域密着型の金融支援が欠かせない」とし、金融機関による地域経済の下支えに期待を示した。

一方、日銀の大規模な金融緩和による低金利は金融機関の収益を圧迫している。黒田氏は「人口や企業数が減少する構造要因が金融機関の収益の下押し圧力になっている」と指摘。地域金融機関は事業承継など地元企業の課題を解決する力を高めるなど「収益力向上の取り組みを加速することが重要だ」と述べた。

黒田氏は5日午前に中部の経済・金融界との懇談会を開催。中部企業の経営者ら約300人が集まった。

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