「財政と協調、政策効果高まる」 日銀総裁、赤字穴埋めは否定

経済
2019/11/5 17:40
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日銀の黒田東彦総裁は5日、名古屋市で記者会見し、「大幅な金融緩和を続ける必要があるなか、仮に政府が財政政策をさらに活用するなら、財政あるいは金融政策を単独で実施するよりも(政策)効果は高まる」と語った。先進国の中央銀行が景気や物価の低迷に悩むなか、欧州などで盛り上がる財政と金融政策の協調論に理解を示した。

記者会見する日銀の黒田総裁(5日、名古屋市中区)

財政と金融政策が連携する「ポリシーミックス」を巡っては、中銀が国の財政赤字を穴埋めする「財政ファイナンス」と受け取られ、市場の信認を損なうリスクもある。黒田総裁は「日銀の政策は物価と金融システムの安定が目的だ」と語り、「財政ファイナンスということは全く考えていない」と強調した。

政府は大規模災害への対応や成長力の底上げをにらんだ経済対策を検討しており、日本でもポリシーミックス論が注目されている。ただ黒田総裁は、日銀の追加緩和策が「財政の拡張時に一緒にやるという考えが特にあるわけではない」とも発言。「あくまで金融政策として必要があるときに実施する」と述べた。

市場の一部では、政府の財政拡大と連動して償還までの期間が10年を超す超長期債の増発や既存の40年債より長い50年債の新規発行を期待する声も出ている。

こうした見方に対し、黒田総裁は「政府が50年債を発行したり、20~40年債の発行を増やしたりすれば、超長期債の金利が過度に下がる(価格は上がる)ことを防ぐ意味がある」と指摘した。日銀は超長期金利の大幅な低下が年金基金などの運用難を招くとの立場なだけに、超長期債の新規発行や増発による需給緩和への期待ものぞかせた。

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