トヨタ、小型車で全方位戦略 ダイハツからOEM調達

2019/11/5 16:45
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ダイハツが発表した「ロッキー」(左)とトヨタの「ライズ」(5日、東京都中央区)

ダイハツが発表した「ロッキー」(左)とトヨタの「ライズ」(5日、東京都中央区)

トヨタ自動車は5日、ダイハツ工業からOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けた、小型多目的スポーツ車(SUV)「ライズ」を発売した。ダイハツの新設計手法を採用した車両としては初のOEM調達で、新興国での展開を狙う。トヨタはもともと得意な先進国に加え、ダイハツやスズキと組み新興国を攻める小型車の「全方位」戦略を加速させる。

ライズはダイハツの軽自動車や小型車の部品共通化で生産コストを抑えて、新興国への展開も見据えた開発手法「DNGA」を採用した小型SUV「ロッキー」のOEM供給車だ。軽自動車でなく5ナンバーで、トヨタの車種ラインアップでは最も小さいSUVになる。価格は約167万円からだ。ダイハツが7月に発売した新型「タント」がDNGAの採用第1弾で、ロッキー(ライズ)が第2弾になる。

トヨタがダイハツと連携を深める背景には、20年代前半にも世界の新車市場の6割を占めるとされる新興国市場の成長がある。トヨタは「ヴィッツ」や「ヤリス」など先進国向けの小型車開発を得意としてきた。一方でより低価格が求められる新興国向け小型車では、10年に投入した「エティオス」の販売が伸び悩むなど苦戦してきた。

トヨタは自前主義を捨て、1967年の提携から半世紀をかけて16年にダイハツを完全子会社化。17年には社内に、新興国向けの小型車開発を担当するカンパニーを設立した。トヨタ社員をダイハツに派遣しており、トヨタ幹部は「ダイハツの一円、一ミリにこだわる開発に多くを学んでいる」と話す。

ダイハツは国内に加えてインドネシアとマレーシアに拠点を持つ。ダイハツは自社で開発した車の生産を25年までに18年比で4割増の250万台に増やして、うち半数がトヨタブランドになる想定だ。20年代前半にトヨタブランドとしてマレーシア、インドネシアでも展開する見通しだ。

トヨタは今夏には、インド市場でOEM供給を受けた車両を販売するなど仲を深めるスズキとの相互出資を発表している。今後は「トヨタグループ」全体の小型車戦略で、地理的に近い東南アジアやインドなどで、それぞれの役割分担をいかに明確化するかが注目だ。

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