津波防災の日、意識新たに お年寄り避難に不安も

2019/11/5 12:07
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東日本大震災をきっかけに制定された「津波防災の日」の5日、各地で津波の防災訓練があり、住民や地元事業所の従業員らが参加した。和歌山県では列車の緊急停止を想定し、小学生らが高台に移動。鹿児島市では立体駐車場への避難で、お年寄りの誘導に不安を訴える声もあった。

「津波防災の日」に合わせた防災訓練で、列車から避難する小学生ら(5日午前、和歌山県広川町)=共同

「津波防災の日」に合わせた防災訓練で、列車から避難する小学生ら(5日午前、和歌山県広川町)=共同

和歌山県広川町では、南海トラフ巨大地震により10メートル超の津波に襲われ、列車が緊急停止したと想定。小学生や住民ら約300人が乗務員の誘導で線路に降り、高台の神社に避難した。

町内に住む農業、中谷里美さん(70)は「これから成長する子どもたちにも訓練の回数を重ねてもらって、とっさの時に行動に移してほしい」と話した。

鹿児島市の訓練は鹿児島湾直下の地震に伴い、最大3.4メートルの津波が押し寄せたと想定。沿岸の同市東開町では、39事業所の従業員435人が階段やスロープを使って商業施設の立体駐車場4階(海抜約18.5メートル)に避難した。訓練用の防災行政無線が地震発生を伝え、18分後に全員が避難を済ませた。

老人ホームの介護士、南達之さん(43)は「車椅子を押すと1人避難させるのが限界だった。有事の際はどうなるのか」と不安をのぞかせた。

市の中豊司危機管理課長(55)は「地震発生から13分で最大津波が押し寄せる。近所に3階以上の建物を見つけて身を守ってほしい」と話した。

気象庁も訓練用の緊急地震速報を発信。政府関係機関や自治体などが対応手順を確認した。

旧暦の11月5日は、江戸時代の安政南海地震で紀伊半島などが大津波に襲われた日。広川町は、稲わらに火を付けて住民を津波から守った「稲むらの火」の故事で知られる。国連も同じ日を「世界津波の日」と定めている。

〔共同〕

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