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NYダウ3カ月半ぶり最高値 景気悲観論が後退

(更新)
投資家はリスク回避姿勢を改めた(4日、ニューヨーク証券取引所)=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】4日の米国株式市場ではダウ工業株30種平均が続伸し、2019年7月15日以来、約3カ月半ぶりに史上最高値を更新した。市場では年初から景気後退入りへの警戒がくすぶるが、雇用と個人消費をけん引役とした米経済は堅調で、懸念は和らいでいる。米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融環境を維持する姿勢を見せたことも、悲観論の後退につながり、投資マネーがリスク資産に流れ込んだ。

4日の米国株市場は朝方から買い優勢で始まり、ダウ平均は午前中の早い時間帯に7月につけた前回高値(2万7359ドル16セント)を超えた。終値は前週末比114ドル75セント(0.41%)高い2万7462ドル11セントだった。米中貿易協議の進展が伝わったことも、投資家を強気にさせた。この日はハイテク株の構成比率が高いナスダック総合株価指数や、機関投資家が重視するS&P500種株価指数も、そろって最高値を更新した。

投資家がリスクをとりやすくなったのは、景気の先行きに対する悲観論が和らいでいるからだ。米ゴールドマン・サックスのエコノミストチームは直近リポートで「当社のモデルは不況入りリスクを過剰に見積もっているかもしれない」と述べた。今後12カ月の間に米国が景気後退に入る確率を35%とするが、算定モデルが景気予測の指標の1つである長短金利差の動向などに重きを置きすぎていたという。

米中貿易摩擦の長期化で、世界的に製造業の業績は総じてさえない。製造業の低迷が、雇用の減少と個人消費の悪化を招き、景気後退入りにつながるとの懸念がくすぶっていた。「不況入りが近いサイン」とされる長短金利の逆転(逆イールド)が一時、出現したことも市場の警戒を生み、投資家はリスク回避で待機資金を積み上げた。ところが直近の経済統計が、悲観シナリオに見直しを迫っているようだ。

例えば1日公表となった10月の雇用統計では、雇用者数の伸びが市場の事前予想を上回った。米自動車大手のストの影響を吸収した上で、増加ペースを維持しており、雇用環境の良好ぶりを裏付けた。前月の増加数も大きく上方修正された。米運用会社ベアリングスのクリストファー・スマート氏は「底堅い個人消費が米景気を支え、引き続き米株高のけん引役になる」とみる。

製造業を巡る統計はまちまちだが、底入れを探る材料も出てきた。米サプライマネジメント協会(ISM)が1日公表した10月の製造業景況感指数は前月比0.5ポイント高い48.3となり、8カ月ぶりに上昇した。依然として好不況の境目である50を下回っているが、市場参加者の間では「持ち直しのサインの可能性もある」(米プルデンシャル・ファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)と前向きに解釈されたようだ。

FRBが利上げ再開に慎重な姿勢を見せたことも、市場で好感された。30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3度目の利下げを決定し、声明文では「利下げ打ち止め感」をにじませた。一方、パウエルFRB議長は記者会見で利上げ再開の時期について、インフレ率の急上昇が見られた場合と述べ、目先はその可能性が低いと指摘した。低金利環境と緩やかな景気拡大が併存する「適温相場」が、投資家にリスク選好を促す形となった。

最高値更新局面で買われた銘柄をみても、景気先行き悲観論は後退している。ダウ平均が直近安値をつけた8月14日終値を起点に、同指数の構成銘柄の騰落率を算出したところ、上昇率の上位には景気動向に業績が左右されやすい銘柄が並んだ。半導体大手インテルをはじめ、建機大手のキャタピラーやスマートフォン大手のアップルは上昇率が20%を超え、相場をけん引した。

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