ミタル、イタリア大手買収を撤回へ 政府の方針変更で

2019/11/5 2:24
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【ドレスデン=深尾幸生】鉄鋼世界最大手の欧州アルセロール・ミタルは4日、イタリア鉄鋼大手、イルバの買収から撤退すると発表した。2018年に買収で合意し、設備などを借りる形でミタルが運営を始めたが、買い取りは完了していなかった。イタリア政府がミタルに認めてきた環境汚染に対する免責条項を取り消し、刑事責任を問われるリスクが出たためとしている。

アルセロール・ミタルが撤退を主張するイルバのタラント製鉄所(イタリア南部)=ロイター

ミタルは17年、環境データ不正問題をうけて一時国有化され、入札対象になっていたイルバを落札。18年10月にイルバの事業資産のリースと将来の購入契約を結んでいた。

イタリア政府は当初ミタルに対し、免責条項を認めていたが、左派「五つ星運動」が反発し、19年6月に免責条項の廃止を決めた。11月3日がその期限となっていた。ミタルが撤退すればイルバのタラント製鉄所は閉鎖に追い込まれ、約8千人の雇用が失われる可能性がある。

ミタルによると、18年の契約で「法律が環境計画に影響を与え操業能力を大きく損なう場合には撤退する権利がある」と定められているとしている。一方、現地メディアによると、政府内にはミタルの撤退の正当性を疑う見方もあり、政治問題化しそうだ。

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