首相、ASEANへの投融資を加速 環境や防災も支援
【バンコク=秋山裕之】安倍晋三首相は4日、バンコク近郊で東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席した。国際協力機構(JICA)による出資や融資を拡大する「対ASEAN海外投融資イニシアチブ」を発表した。一連の会議では環境や防災、防衛、インフラ整備など幅広い分野での協力を打ち出した。
海外投融資イニシアチブは日ASEAN首脳会議で発表した。(1)電力や水道、都市、情報通信などのインフラ整備(2)金融サービスの環境改善による中小事業者や女性らの支援(3)気候変動対策としての省エネルギー事業促進――の3分野が柱だ。他の開発系金融機関や民間の銀行との連携も強化していく方針だ。
ASEANと日中韓3カ国による首脳会議では、今年6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の議論を踏まえて協力を呼びかけた。海洋プラスチックごみ問題で日本の技術力を生かして貢献する方針を表明した。
G20大阪サミットで示した国境を越えた自由なデータ流通を実現させる協議の枠組み「大阪トラック」に沿って、電子商取引に関する国際的なルール作りなどの議論を進める考えを説明した。医療や介護で協力する「アジア健康構想」の推進も訴え、防災や教育、国境を越える犯罪での連携も唱えた。
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