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NBAは現実的な目標 米国で腕磨く17歳田中

2019/11/6 3:00
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史上最年少でバスケットボール男子の日本代表候補に選ばれた17歳の田中力が、留学先のIMGアカデミー(米フロリダ州ブラデントン)で2年目のシーズンを迎えた。「去年よりバスケがすごく良くなっている」と表情は明るく、昨季全米チャンピオンに輝いた同校で今季は主力としてプレーできそうだ。全米大学体育協会(NCAA)1部の強豪校への進学や、その先のNBA入りを現実的な目標と捉える若者は「リーダーシップを発揮して2連覇したい」と意気込んでいる。

「(八村)塁さんのように日本を背負う選手になりたい」と田中

「(八村)塁さんのように日本を背負う選手になりたい」と田中

まだ日も昇らない午前7時。テニスの錦織圭が今も拠点とする広大なテニスコートに隣接する体育館で、田中の一日は始まる。「ハンドリングやスキルワークをガツガツやっています」。1時間の自主練習で、たっぷり汗を流すのが日課だ。その後の全体練習では司令塔としてチームメートを引っ張り、隙あらば自らシュートを決める。持ち味の攻撃的なプレーは磨きがかかっている。

1年を経て「去年に比べたらプレーが全然通用する」と手応えをつかんだ。その上で「一番の役割はリーダーシップで、みんながダウンムードならアップさせないといけない。コート上ではここは得点、ここはさばいて、というのが分かってきた」とも。強い自覚と確かな自信。米国はもちろん、カナダやフランスからも実力者が集まるチームで気後れする様子はない。

■史上最年少で日本代表候補に

米国出身の父、日本出身の母のもと神奈川県横須賀市で育った。抜群の身体能力を生かした得点力で、Bリーグ横浜の下部組織で活躍。2017年10月には史上最年少の15歳5カ月で日本代表候補に名を連ねた。中学卒業後の18年夏からアカデミーに留学し、今は日本の高校2年生に当たる。午前に練習し、午後から敷地内の高校に登校。夕方から再び練習というバスケット中心の生活だ。

田中(前列右から2人目)をはじめ、IMGアカデミーには世界各国からNBAを夢見るアスリートが集まる

田中(前列右から2人目)をはじめ、IMGアカデミーには世界各国からNBAを夢見るアスリートが集まる

身長は188センチ。将来の目標に掲げるNBA入りにはウィザーズの八村塁が在籍したゴンザガ大など、NCAAの強豪校で活躍してスカウトの目に留まることが欠かせない。アカデミーにはバスケットのほか、テニスやゴルフなど8競技に世界約80カ国からアスリートが集まり、95%が米国の大学に進学。最新機器を備えたパフォーマンスセンターや豊富なコーチ陣、食事のケアなどを含めプロチーム並みの環境が整う。施設からはこれまでに数多くのプロ選手が巣立っている。

バスケットの体育館の入り口や壁には全米オールスターをはじめ、NBAで活躍する先輩の等身大パネルや大きなペナントが並ぶ。「みんなNBAに1000%行くって考えている。去年のチームメートはもう大学でいい感じでプレーしているし、もうちょっと頑張れば自分も行けるという気持ちもある」

もちろんウィザーズでデビューした八村の存在も大きい。「塁さんを見ていてうれしいけど、俺もやらなきゃ絶対ダメだという気持ちがすごい強い」。開幕戦をテレビ観戦した直後には、いても立ってもいられず、ウエートトレーニング場に駆け込んだという。

日本にいた頃から武器にしていたスピードは本場でも十分に通用した。同級生と比べて線が細かった体は一回り大きくなり、簡単に当たり負けしなくなった。「ドライブすると、みんなあえて腰の下を押してくる。そうされると全く動けなくなる」という、反則にならないギリギリの攻防から体の当て方も学んでいるという。

IMGアカデミーの施設について田中は「本当に最高。コーチもしっかり教えてくれる」

IMGアカデミーの施設について田中は「本当に最高。コーチもしっかり教えてくれる」

日本代表が今夏のワールドカップで5戦全敗を喫した際、ラマス監督が日本の未熟さとして挙げた「リーガルコンタクト」を体感しているようだ。「毎回練習後は体が痛い」と苦笑いしつつ、最新機器をフル活用して練習後は必ず体のメンテナンスに時間を割くなど生活サイクルは固まっている。

■2年連続高校王者目指す

IMGアカデミーは全米でも名の知れた高校だけに「良い施設でプレーできて、うまいに決まっているだろうと思われている。嫌われていますよ」と田中は言う。11月下旬から全米各地で公式戦が始まり、2連覇がかかる高校チャンピオンを決める大会は来春行われる。

昨季はずぬけた上級生がいたこともあって、控えに甘んじていた田中。コーチや仲間との英語のやりとりに全く問題はなく、明るい性格で完全にチームに溶け込んでいる。もともと個人の能力は高く評価されていただけに、ポイントガードとしてチームを勝利に導けるか。先発起用も含めて大幅に出場時間が増えそうな今季に向けて「もう楽しみすぎて待てない。チームを勝たせられるよう、頑張りたい」と気持ちを高ぶらせている。

(鱸正人)

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