イングランド、FW戦で押し込まれノートライ完敗
後半33分、イングランドの落球をつなぎ、駆け上がってきた南アフリカのWTBコルビと最後に対峙したのは主将のCTBファレル。ステップをきられると右手をかけただけで簡単に突破を許し、だめ押しのトライを献上。なすすべなしというように、下を向いた主将の姿がこの日のチームを象徴していた。

スクラム、モールでことごとく押し込まれた。ロックのイトジェは「相手が上手だった」と完敗を認める。痛かったのが試合開始早々、今大会大活躍のプロップ、シンクラーが脳振盪(しんとう)でピッチを離れたこと。しかも2人がかりでタックルにいって、味方とぶつかる不運だ。

交代に入ったベテラン選手のサイドをスクラムで押され、反則をとられた。後半すぐFW第1列を代えても勢いを止められない。ジョーンズ監督は「(ケガによる離脱が)試合に大きな影響があった」とうなだれた。
セットプレーではラインアウトに活路を求めた。バックスのファレルが列に並ぶなど、奇策を講じて相手をかく乱。だが接点で負け続けては勝ち目はない。
前回大会の1次リーグ敗退からV字回復し、3大会ぶりの決勝進出。しかも決勝に出たチームとして平均年齢が史上最も若かった。ジョーンズ監督は「選手はハードワークをした。努力が足りなかったわけではない」と父親のように優しくかばった。(摂待卓)