アルゼンチン次期大統領、債務巡りトランプ氏と協議
【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス次期大統領は1日、トランプ米大統領と電話会談し、国際通貨基金(IMF)との債務問題について協議したと明らかにした。左派のフェルナンデス氏はIMFに対する債務繰り延べを主張しており、最大の出資国である米国に理解を求めていく考えだ。

10月27日の大統領選で当選したフェルナンデス氏はツイッターに「トランプ氏から電話を受けた。彼はIMFに対し、我々の債務問題を解決するために一緒に働くよう指示したと話していた」と投稿した。
IMFとアルゼンチンは2018年、563億ドル(約6兆1000億円)にのぼる過去最大規模の融資枠の設定で合意。フェルナンデス氏は選挙中、現職のマクリ大統領とIMFが主導した緊縮財政がアルゼンチン経済に打撃を与えたと批判していた。
IMFの支援はマクリ氏がトランプ氏に協力を要請し、米国が融資実行を後押しした経緯がある。親米政権からの政権交代を受け、市場ではアルゼンチンが再びデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が広がっている。フェルナンデス氏は「米国との成熟した、心のこもった関係を維持したい」とも投稿し、IMFによる融資の判断に影響力を持つ米国を敵視しない姿勢をアピールしている。