東南ア、米中摩擦「漁夫の利」狙う 外資誘致を強化

2019/11/2 17:45
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【バンコク=村松洋兵】東南アジア諸国連合(ASEAN)4カ国の首脳が2日、タイ・バンコクの投資サミットに参加し、外資の誘致を加速させる方針を打ち出した。米中貿易戦争の影響で中国の生産移管の受け皿となっており、漁夫の利を得る狙いだ。ただ、米国はASEANなど新興国に対する貿易赤字にも不満を募らせており、新たな貿易摩擦に発展する懸念もある。

ASEANビジネス投資サミットであいさつするタイのプラユット首相(2日、バンコク)=石井理恵撮影

「ASEANビジネス投資サミット」ではタイ、マレーシア、ベトナム、ミャンマーの首脳が登壇し、各国政府や企業関係者ら約1000人が参加した。タイのプラユット首相は「貿易振興や産業の高度化に民間企業の協力が欠かせない」と強調した。タイは1~9月の外国直接投資が前年同期比7割増となるなど、米中貿易戦争の恩恵を受ける。9月には外資の投資に対する減税措置の拡充も決めた。

マハティール首相も登壇し「中国は約14億人の巨大市場だが、ASEANも約6億5千万人の人口を抱える」と述べた。高い潜在成長力を訴え、投資を促した。

中国を代替する形で東南アジアからの対米輸出は伸びている。米商務省によると対米輸出額は1~8月にベトナムが前年同期比34%増、タイが同4%増となった。

米通商代表部(USTR)は10月、タイからの輸入品に認めている特恵関税制度(GSP)を半年後から一部停止すると発表した。タイが労働者の権利を十分に保護していないというのが理由だが、米国が貿易赤字を問題視したとの見方がある。タイ政府は米国も参加するASEAN関連首脳会議などの場で、米国に再考を要請する考えだ。

米政権は6月にインドへの特恵関税制度を廃止し、同国が報復関税を発動して対立が激しくなった。中国から東南アジアへの生産移管拡大は、貿易摩擦の新たな火種になる可能性がある。

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