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アリババ 営業益51%増 カリスマ退任後も堅調

創業者の馬氏の後継者としてアリババを率いる張会長兼CEO=アリババ提供

【上海=松田直樹】中国ネット通販最大手、アリババ集団が1日発表した2019年7~9月期連結営業利益は前年同期比51%増の203億元(約3千億円)だった。現地のネット通販市場でシェアは拡大し、影響力が一段と高まっている。創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が一線を退き、名実ともにトップとなった張勇(ダニエル・チャン)氏は「順調に顧客網を拡大した」と述べ、好調ぶりを印象づけた。

主力のネット通販事業がけん引し、売上高は1190億元で40%増となった。純利益はグループの金融会社、アント・フィナンシャル関連で特別利益を計上。725億元と3.6倍に増えた。特別利益を除くと実質30%増。9月末の国内ユーザー数は6億9千万人超で1年前から15%増えた。

中国の調査会社の易観によると、19年7~9月期のアリババのネット通販市場のシェアは63.1%(前年同期は59.5%)に拡大した。2位の京東集団(JDドットコム)などからシェアを奪い、圧倒的な地位を築く。

「今年も取引額は過去最高を目指す」。大規模ネット通販セール「独身の日」を11月11日に控えて、アリババの幹部は意気込む。18年は1日で2135億元の取扱高を記録した。今年も潤沢な予算を投入した大規模な販促を展開する構えだ。

アリババは9月10日に馬雲氏が会長を退任し、最高経営責任者(CEO)の張勇氏が会長兼CEOに就いた。馬氏は18年9月に会長退任を公表しており、この1年間は張氏が実質的にアリババを率いてきた。1日は馬氏の退任後初の決算発表となったが、張氏は「都市部だけでなく、地方や農村部でも順調に顧客網を拡大し、さらなる成長が期待できる」と述べた。

財務畑の経験が長く、事業の収支管理を重視する張氏の色は徐々に業績にも表れている。ネット通販への利益依存からの脱却を目指し進出した新規事業の赤字は改善。19年7~9月期の事業別の営業損益は、動画配信サービスなどエンタメ関連事業が33億元の赤字(前年同期は48億元の赤字)に縮小した。通販のセールと連動した販促を展開し、広告収入が増えたことが寄与している。

不安材料は米中対立による中国景気の減速だ。家計調査による中国の可処分所得の伸びは1~9月に前年同期比6.1%となり、1~6月(同6.5%)から鈍化。景気の減速が続けば、アリババの業績にも影響を与えることは避けられない。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場するアリババの株価は米中貿易戦争の余波で上値が重い。計画する香港取引所への株式上場も暗雲が漂う。独身の日の直後にも上場申請するとの観測があるが、抗議デモの影響が続く中で進展するか不透明だ。無難な船出となった張氏率いるアリババだが、当面は難しいかじ取りを迫られそうだ。

    ◇

ソフトバンクグループ(SBG)は1日、2019年7~9月期の連結決算(国際会計基準)に、投資先の中国・アリババ集団に関連した利益2771億円を営業外で計上すると発表した。アリババは同日発表した19年7~9月期決算でグループの金融会社、アント・フィナンシャル関連で一時利益を計692億元(約1兆円)計上。これに伴いSBGに会計上の利益が発生した。

SBGはアリババの発行済み株式の約26%を保有し、持ち分法適用会社としている。会計上は、持ち分法適用会社の最終損益を出資比率に応じて本体企業の連結決算に反映する。

今回、一時利益の発生によりアリババの純利益が大幅な増益となり、出資比率に応じた「持ち分法による投資利益」がSBG本体の連結決算に計上されることとなった。SBGは6日に2019年4~9月期決算を発表する。

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