米雇用堅調、10月は12.8万人増 利下げ停止論後押し

2019/11/1 21:42
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GMのストの影響で、自動車部門の就業者数が前月から約4万2千人減少した(米ケンタッキー州)=ロイター

GMのストの影響で、自動車部門の就業者数が前月から約4万2千人減少した(米ケンタッキー州)=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米労働省が1日発表した10月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比12万8千人増えた。自動車関連のストで前月(18万人増)から減速したものの、市場予測(約9万人増)を上回った。貿易戦争の逆風下でも雇用は底堅さを保っており、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ停止論を後押ししそうだ。

失業率は3.6%と前月から0.1ポイント悪化したが、約50年ぶりという歴史的な低水準を維持している。平均時給は28.18ドルで前年同月比3.0%増えた。伸び率は15カ月連続で3%台を保っており、雇用情勢の底堅さが賃上げを支えている。

10月は自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のストの影響で、自動車部門の就業者数が前月から約4万2千人減少した。ストは10月25日に終結したが、雇用統計は各月中旬にデータを集計しており、スト期間中に無給となる従業員を統計上は失業者として扱う。職場復帰後の11月は、逆に就業者数が大きく押し上げられることになる。

サービス部門でも、小売業が前月比6千人増えたほか、運輸・倉庫業も1万人増加した。年末商戦を控えて雇用を積み増す動きとみられ、企業には個人消費の底堅さに期待がある。直近3カ月の就業者数全体の伸びは月平均17万6千人と、減速が目立っていた年前半と比べて持ち直している。

FRBは30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続の利下げを決めたが、先行きは追加緩和を当面見送る考えを示唆している。パウエル議長は理由の1つに「労働市場の力強さ」を挙げており、10月の雇用統計はFRBの利下げ停止論を後押しする材料になりそうだ。

もっとも、貿易戦争で企業心理は悪化しており、米中協議次第で雇用に急ブレーキがかかる可能性もある。トランプ大統領は「ドルと金利が製造業を傷つけている」と主張し、利下げ停止にカジを切るFRBを批判した。企業心理の悪化は米政権が仕掛けた貿易戦争が主因だが、トランプ氏は自らの再選を左右する中西部の製造業の雇用を不安視しており、FRBとの摩擦が続きそうだ。

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