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マラソン札幌に、五輪成功へ苦渋 知事「長引かせない」

開催地変更が決まった4者協議を終え、記者会見した東京都の小池百合子知事(1日、都庁)=共同

2020年東京五輪のマラソン・競歩の開催地が1日、札幌への移転で決着した。国際オリンピック委員会(IOC)による突如の計画表明に反発してきた東京都の小池百合子知事は、苦渋の決断で「合意なき決定」に至った。大会運営への影響を考慮し、「(議論を)これ以上長引かせるわけにいかない」。決着へ腐心してきたIOCは「こちらもつらい状況にある」と理解を求めた。

1日に都内で開かれた都とIOC、大会組織委員会、政府の4者協議で小池知事は終始硬い表情だった。「東京での実施がベストとの考えは変わっていない」としつつ「大会成功にまい進できる体制を構築する重要性に鑑みた」と説明。「あえて申し上げるなら合意なき決定だ」と強調した。

組織委から計画を伝えられたのは、IOCが表明する前日の10月15日。情報の把握が遅れた。組織委や政府は容認姿勢。競技会場の決定権を握るIOCは、同30日からの会議で移転を「決定事項」として臨んだ。変更は避けられない情勢のなか、小池知事は31日夜の大会関係者による宴席後、都庁に戻って日付が変わるまで4者協議で表明する文言を考えた。

小池知事は協議後の記者会見で、「タフな交渉だった。契約上、IOCが決定権を持っているという動かせない事実がある」と振り返った。法的措置も一時模索したが、「勝てる可能性が極めて少なく、関係費用がかさむ。賢明ではない」と判断したという。

都は路面温度の上昇を防ぐ舗装など、暑さ対策に多額の費用と時間をかけてきた。しかし反発を続ければ大会運営に支障が出かねない。「さらに時間がかかることは選手たちの負担がさらに長引く。望むところではない」(小池知事)と受け入れざるをえなかった。

IOCや組織委も都に歩み寄った。政府を含む4者で▽都は札幌移転で発生する費用は負担しない▽他の競技は開催地を変更しない――ことなどを確認。都が求めてきた内容だった。

記者会見するIOCのコーツ調整委員長(左)と大会組織委の森会長(1日、東京都中央区)

IOCのジョン・コーツ調整委員長はこの日の記者会見で「アスリートの健康を守るために共通項を見いだす必要があり、それが今回の決定だ」と訴えた。トーマス・バッハ会長が小池知事に送ったメールの内容を引用しながら「都民の理解を求めたい。IOCもつらい状況にあることを理解してほしい」と話した。東京のコースで記念マラソン大会を五輪後に開催することも提案した。

組織委の森喜朗会長は「東京都の大英断とも言える決断に敬意を表したい。多くの都民や自治体も楽しみにし、準備にも尽力していたため大変申し訳ない」と話した。

札幌市の秋元克広市長と北海道の鈴木直道知事は1日夕、対応を協議した。秋元市長は会談前に報道陣に「東京で準備をされてきた関係者、マラソン・競歩を楽しみにされてきた方々の気持ちを考えると大変重い決定」と語った。

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