三井E&S、火力追加損失713億円 止まらぬ想定外

2019/11/1 19:00
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三井E&Sホールディングスは1日、インドネシアの火力発電所工事で損失713億円を計上すると発表した。子会社の三井海洋開発でもメキシコの資源貯蔵施設工事で費用を計上した。2020年3月期の連結純利益は30億円の黒字から一転、880億円の赤字を見込む。人手不足などを主因にプラント大手が想定外の損失を相次ぎ計上する異常な事態を迎えた。

インドネシアの問題発覚は2度目。18年度にすでに計793億円の費用を計上済みで、合計額は1500億円に達する。

火力発電所は冷却用の配管が海底に向かって必要だ。前回、繊維強化プラスチック(FRP)製の配管の強度不足が判明し、鋼管に切り替えるため工事が遅延した。今回設置工事を実施したところ、地盤が悪い海底での配管埋め戻しで土などの物量発生やダイバー不足で遅延が発生した。

三井E&Sはこれまでにも北米のシェールガス開発のプラントで400億円超の損失を計上した経緯がある。改めてプロジェクト管理の甘さが浮き彫りになった。

3期連続赤字見通しを受け、4月に社長を岡良一氏に譲った田中孝雄会長は代表権と最高経営責任者(CEO)の肩書を返上し、取締役となる。

三井E&Sは13年に、川崎重工業と統合を模索したが破談して以降、田中氏主導で単独生き残り路線を進めてきた。

持ち株会社制に移行して機動力を高め、不振の造船では中国の揚子江船業と協業するなど構造改革に取り組んだが、再建の道は遠い。一方でたもとを分かった川重も業績苦戦に苦しんでいる。

海外工事の想定外費用の発生は三井E&Sに限った問題ではない。最近では千代田化工建設東洋エンジニアリング、日揮、IHIなど各社がこぞって費用計上に泣かされてきた。背景にあるのは世界的な人手不足だ。

三井E&Sはすでに海外の大型プラントからの撤退を決めた。資源関連需要は堅調とはいえ、採算管理という爆弾が各社リスクになっている。業界は撤退や再編など波乱含みだ。

(渡辺直樹)

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