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全国初 徳島の主要経済団体、すべて女性トップに

2019/11/1 16:57
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徳島の3つの主要経済団体のトップが全国で初めてすべて女性になった。徳島商工会議所は1日、議員総会を開き、寺内製作所(徳島市)の寺内カツコ会長(81)を会頭に選出した。徳島経済同友会、徳島県経営者協会も現在、トップは女性。今後、3団体が連携し「女性が働きやすい地域」とのイメージを訴えて、人口減対策や女性活躍の環境整備を進める。

徳島商議所の会頭に女性が就くのは初めて。同日、記者会見した寺内氏は「一番の関心事は人口減」と語り、「婚活に力を入れ、出会いの場を作ってあげたい。女性ならではのきめ細かさで企業に寄り添いながら温かみのある商議所にしたい」と抱負を述べた。任期は2022年10月末まで。

18年5月に徳島経済同友会が、あわわ(徳島市)の坂田千代子会長(60)を初の女性代表幹事に選んだ。19年6月には食品加工のマルハ物産(徳島県松茂町)の林香与子会長(72)が徳島県経営者協会会長に就任した。経団連の地方組織である全国の経営者協会で初の女性会長だ。寺内氏の商議所会頭の就任により、徳島の主要経済団体のトップに女性が並んだ。

寺内氏は18年4月から商議所の女性会会長を務める。徳島の女性会のメンバーは現在、120人強。来年は発足60年にあたり「節目の年に大きなイベントを計画したい」と話した。

徳島商工会議所の会頭に就任した寺内氏(左)と副会頭に選出された中村氏(1日、徳島市)

徳島商工会議所の会頭に就任した寺内氏(左)と副会頭に選出された中村氏(1日、徳島市)

徳島の女性は働き者の「阿波女」と呼ばれ、古くから社会参加が進んでいる地域として知られる。寺内氏は他の経済団体と「女性ならではの視点で連携し、徳島を明るくする方策を探りたい」と語った。また「徳島には県外から来た人が感動する観光資源や文化が多くある。こうしたものを後世に残し、発信する活動もしたい」と語った。

寺内氏は女性会でともに活動をしてきた愛桐家具の中村秀美(68)専務らを副会頭に選んだ。

寺内 カツコ氏(てらうち・かつこ)1938年8月8日徳島県松茂町生まれ。自身が46歳の時に夫を亡くし、繊維機械部品メーカー、寺内製作所の経営を引き継ぐ。2010年から徳島商議所副会頭。2人の子どもと2人の孫がいる。健康のために今でも趣味としてゴルフを楽しんでおり、年間100ラウンドを超えたことも。

■「阿波女」を徳島の魅力として発信
「『阿波女』を徳島の魅力として全国に発信したい」。出版会社、あわわ(徳島市)会長で徳島経済同友会の代表幹事、坂田千代子さんはこんな目標を掲げる。生き生きと働く女性とそれを支援する企業と行政。政府が目指す女性活躍を推進する社会で、一歩先を行く地域をアピールする。
 「讃岐男に阿波女」――。四国にある言い習わしで、堅実で働き者の徳島の女性と香川の男性が夫婦になれば最強とされてきた。徳島には古くから阿波藍を中心とした商売人文化が息づいており、女性が社会に出て働くことへの抵抗は薄い。こうした気質も主要経済団体トップすべてに女性が就いた背景といわれる。
 徳島の女性活躍を示すデータは多い。文部科学省の学校基本調査(2018年度)によると、女性の大学進学率が男性を上回るのは東京都と徳島県だけ。女性の社長が経営する企業の割合は10%超(帝国データバンク、19年度)と全国2位。県の審議会委員総数に占める女性比率は50%を超えて全国1位。管理職に占める女性割合(15年国勢調査)もトップだ。
 行政、企業も他に先駆けて女性活躍のための環境づくりを推進してきた。95年に徳島市が「女性の感性を地域活性に生かそう」と呼びかけ、「AWAおんなあきんど塾」が発足。県内企業などで女性の起業を支援する仕組みを整備し、活躍する女性を表彰する制度を設けた。雇用で男女差をつけることを禁止した99年の改正男女雇用機会均等法よりも前だ。
 育児環境の整備にも積極的に取り組む企業も多い。子育て支援に積極的に取り組む企業を厚生労働相が認定する「くるみん」を取得した企業数は9月末時点で57社に達し、経済規模が上回る広島県よりも多く、中四国地方で最多だ。働く父親の育児参加率は37%強(総務省、16年社会生活基本調査)と全国平均を7ポイント上回る。
 坂田さんは「徳島には女性が楽しく働ける環境がある。男性の理解もある。この魅力を徳島への移住を考えるきっかけにしてもらいたい」と話している。(長谷川岳志)
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