米アルトリア、電子たばこ出資で4900億円の評価損

北米
2019/11/1 3:43
保存
共有
印刷
その他

【ニューヨーク=西邨紘子】米たばこ大手アルトリア・グループは31日、保有する電子たばこメーカー、ジュール・ラブズの株式評価額を見直し、45億ドル(約4900億円)の評価損を計上した。主要市場の米国などで電子たばこに対する厳しい規制の導入が検討されており、当面は想定したほどの収益が見込めないと判断した。

米ジュールは電子たばこの安全性懸念で事業モデルの見直しを迫られている=ロイター

ジュールは近年、電子たばこ製品の販売拡大で急成長してきた。縮小する紙巻きたばこに代わる成長事業と見込んだアルトリアは、2018年12月にジュール株の35%を128億ドルで取得する取り決めでジュールと合意していた。当時、アルトリアの株式取得価格から算出したジュールの企業価値は380億ドルと見積もられた。今回の見直しから算定すると、ジュールの企業価値は株式取得時から4割近く縮小する。

電子たばこは紙巻きたばこに比べて規制が緩く、未成年者の間での流行が社会問題化していた。今年に入り、電子たばこ使用との関連が疑われる肺疾患患者の報告が急増。10月には死亡事例も30件を超え、連邦政府や自治体がより厳しい規制の導入の検討を進める。

9月、ジュールのケビン・バーンズ最高経営責任者(CEO、当時)が辞任。アルトリアは自社の経営幹部だったKC・クロスウエート氏を後任トップに据え、ジュールの事業立て直しに着手した。これまでに、広告廃止や500人規模の人員削減などの対応を発表している。

31日にアルトリアが発表した2019年7~9月期決算は、ジュールの評価損計上が重荷となり、最終損失が26億ドルと前年同期の19億4300万ドルの黒字から赤字に転落した。売上高は前年同期比0.3%増の68億5600万ドルだった。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]