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FCA、新技術へ「伴侶」切望 PSAと統合合意

ルノー破談4カ月で

欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏グループPSAが経営統合で基本合意した。FCAは仏ルノーに統合を提案して6月に破談になったばかりだ。ほぼ4カ月という短期間で次の相手を決めた背景には、電動化など次世代技術への対応遅れを少しでも早く挽回しないと生き残れないとの危機感がある。

FCAはこの数カ月、統合先を躍起になって探してきた。ルノーへの提案に先立つ今春にはPSAとの協議が報じられた。

ルノーとは破談後も繰り返し水面下での交渉が伝えられた。FCAのマイケル・マンリー最高経営責任者(CEO)は8月、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に「まだ門戸は開かれている」と再交渉の可能性に言及した。

一方のルノー側も、ジャンドミニク・スナール会長が繰り返し「いい統合案だという考えは変わっていない」と語っていた。ルノーが提携先の日産自動車などを説得するのに時間がかかるなか、FCAは待ってはいられないとの判断に傾き、PSAとの合意に至った。

PSAの2018年の研究開発費は47億2100万ユーロ(約5700億円)、FCAは同年30億5100万ユーロだった。合計すると円換算で約9400億円となり、2020年3月期に1兆1千億円を投じるトヨタ自動車を追う規模となる。次世代技術に割ける資金は大きく増える。

ただ、これで安泰とはいえない。FCAはルノーへの統合提案では、日産などとのシナジー効果も見込んでいた。今回のPSAとの統合では中国・アジアがほぼ空白のままだ。日産などの電動化技術も手に入らない。両社は「フィアット」や「プジョー」など10以上のブランドを抱えるが、販売市場は欧州や米州がほとんどだ。

2021年には欧州でこれまでより厳しい二酸化炭素(CO2)排出規制が導入され、段階的に強化される。FCAは単独では対応が難しくPSAの小型車向け電気自動車(EV)技術を頼る。

自動運転や「つながるクルマ」、シェアリングなどの分野では米アルファベットなど異業種との競争や協業が増える。統合で協業相手としての魅力を高める狙いもあるとみられる。

「1千万台クラブ」の独フォルクスワーゲン(VW)やトヨタは、その先を見すえつつある。VWは米フォード・モーターとEVなどで提携を深めている。トヨタはマツダスズキとの関係を強化して緩やかな1600万台連合を形成した。韓国・現代自動車やホンダなど、販売台数が数百万台の規模の他社の戦略にも影響を与えそうだ。(フランクフルト=深尾幸生、パリ=白石透冴)

 FCA 1899年設立のフィアット(イタリア)と1925年設立の米クライスラーが源流。2014年にフィアットがクライスラーを完全子会社化した。本社はオランダ。18年12月期の売上高は1154億ユーロ(約13兆9千億円)。
 グループPSA 19世紀末に自動車製造を始めたプジョーと1919年創業のシトロエンを中核にした仏自動車メーカー。経営不振が続くも2014年にトップに就任したカルロス・タバレス氏が立て直した。18年12月期の売上高は740億2700万ユーロ(約8兆9千億円)。

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