見送りの英語民間試験、何が問題? 3つのポイント

3ポイントまとめ
大学
2019/11/1 8:01
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「英検S-CBT」の申し込み開始を知らせる日本英語検定協会の公式サイト(9月)

「英検S-CBT」の申し込み開始を知らせる日本英語検定協会の公式サイト(9月)

大学入試センター試験に代わって2020年度から始まる大学入学共通テストの英語について、政府は「英検」「GTEC」といった民間の資格・検定試験の20年度の活用を見送る方針を固めました(「英語民間試験、20年4月からの実施見送りへ 文科省」参照)。受験開始が半年後に迫る中での大転換です。英語民間試験の活用は文部科学省が進めてきた高大接続改革(入試改革)の目玉でしたが、どんな問題があったのでしょうか。

(1)公平性に不安

民間試験の活用は「読む・聞く・書く・話す」の英語4技能を測るのが目的です。そのための新たなテストは作らず、既存の民間試験を使うことにしたわけですが、共通テストの一部である以上、受験生が住む地域や家庭の経済力による有利不利の差は、極力なくす必要があります。しかし、民間試験の会場は県庁所在地など都市部が多く、離島やへき地の生徒には旅費などの負担が生じます。所得が多い家庭の生徒ほど、練習のための受験を重ねられて有利だという見方もあり、「公平性が保たれないのではないか」という不安を招くことになりました。

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(2)確実に受験できる保障がない

活用が予定されていたのは6つの団体や企業が運営する7種類の試験です。英語はセンター試験で最も受験者が多い科目で、今春は53万人が受験しました。試験団体はこれだけの数の受験生が確実に受けられるよう、十分な試験会場を用意し、日程とともに余裕を持って公表する責任があります。ところが、この準備が難航しました。今になっても具体的な日程や会場は未定という試験が多く、受験生が希望する日時・場所で受験できる保障はないといわざるをえない状況でした。

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(3)試験の質にも疑問

実施面だけでなく、試験そのものにも課題が指摘されています。テストの専門家らは各回の試験の難易度が均等かどうかや、問題の漏洩防止などのセキュリティー、試験機器のトラブル対策などに疑問を投げかけています。目的も内容も違う各試験の成績を、CEFR(セファール)という対照表を使ってランクづけして比べる仕組みにも「無理がある」との批判が当初からありました。資格・検定試験としては定評があっても、受験生の人生を左右する入試として十分な質を備えているかが問われています。

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