日銀、成長率・物価見通し下げ 世界経済の回復遅れ

2019/10/31 20:32
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日銀は31日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、先行きの成長率や物価上昇率の見通しを引き下げた。世界経済の持ち直しが想定よりも遅れ、日本企業の輸出や生産活動に与える影響も長引くと判断した。原油安の影響で足元の物価が弱含んでいることも反映した。

展望リポートは3カ月に1度改定し、9人いる政策委員の実質成長率や生鮮食品を除く消費者物価指数上昇率の見通し(中央値)を示す。

成長率の予測は2019~21年度の各年度で0.1~0.2ポイントずつ引き下げた。主因は19年度中とみていた海外経済の回復時期の後ずれだ。米中貿易摩擦の影響が広がっているほか、中国の財政政策による景気押し上げ効果が現時点では限定的にとどまると分析。日本の輸出も「当面は弱めの動きが続く」とみる。

物価の予測は19年度が従来より0.3ポイント低い0.7%と比較的大きめの引き下げになり、20~21年度も下方修正した。成長率の下振れが物価にも響くうえ、ガソリン価格の低迷などで9月の物価上昇率が0.3%にとどまったことも踏まえた。

ただ、日銀は「2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)は維持されている」との立場は変えなかった。設備投資を中心に内需は底堅く、世界経済も徐々に回復に向かうので日本経済全体の需要と潜在的な供給力の差を示す需給ギャップはプラス基調を保つとみているためだ。企業や家計などの予想物価上昇率も足元は横ばい圏内で現実の物価を下押しする状況ではないとみる。

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